BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡メモリアル『前検を斬る!!』

 蒲郡メモリアルの前検業務が終わりました。今日のガマ水面は、ほぼ無風の凪という絶好のコンディション。観測ポジションも良好で、それなりにしっかり見ることができたと思ってます。で、スタート特訓を見ての感想は「スリットから一撃1艇身も突出するパワーは見当たらず」。まあ、低出力モーターになってからはこれが当たり前なんですけどね。それでも、スロー起こしからぴったり半分ほど覗いていくゴキゲンパワーもありました。良く見えた順に列挙していきましょう。

S級(抜群候補)

★濱野谷憲吾=24号機

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 三島敬一郎、地元モーター番付表ともにノーマークの24号機。いきなり今節の「バカに良く見えたもんは仕方がない」なのだが、まさにスロー起こしからのスリット足が半端なかった。1本目の3コース、3本目の3コースともに、ターンマーク起こしから出足スッキリ、そこからじわり加速してスリット近辺でスーーッと半艇身、内外を出し抜く感じで出て行った。この出方は最近の憲吾スタイルでもあり、24号機の素性云々より「憲吾クオリティ」だと思われる。2本目のダッシュ6コースはちょこっと出て行くだけだから、とにかく行き足が突出した感じ。現状の狙い目は2、3号艇からの一撃まくり。

★白井英治=57号機

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 期待どおり、伸び足はトップレベル。注目・谷村一哉69号機との長州合わせは、「ターン回りから出口までやや谷村に分があり、逆にスリット裏からは白井57号機がスーーンと伸びて行く」感じ。先入観も混ざっているかもだが、なかなかに迫力のあるマッチアップだった。ドリーム班の特訓でも1本目のダッシュ5コースがいちばん力強い見え方。助走をしっかり取った3本目のスロー4コースもスリット後に出て行った。だがしかし、インから行った2本目だけは、起こしから加速が鈍く他艇に置かれる脆さも……やはりこの57号機、現状は諸刃の剣とも言うべき伸び特化型パワーなのかも? そんな不安を抱きつつ、期待に違わぬ直線足に免じてSランクにしておきま~す♪

A級(上位候補)

★谷村一哉=69号機

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 白井57号との足合わせは前記のとおり。伸び負けの分だけ少し劣勢に見えたが、スタート特訓では①ダッシュ6コース、②インコース、③スロー5コースともすべて余裕があって文句なしの動きだった。特に2本目インコースの起こしからスムーズな押し足~出足~スリット付近の行き足まで惚れ惚れする加速感で、白井との比較込み込みで現状は出足系統が魅力かも。

★原田幸哉=72号機

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 2連対率31%ながら【三島A+&高橋アナ推し】がシンクロした72号機、やっぱ数字とは真逆の不気味な気配をぷんぷん漂わせていた。特訓の1、2本目は↑同班の谷村の方に視線が向いたけれど、3本目のスロー2コースはスリット近辺からシュッと軽快に出て行った。そのスリット足だけは、わずかに5コース谷村を煽っているように見えたのだがどうだろう。どこまで数字を凌いでいるか、まだ不明な部分は多いけれど、とにかく31%とは別物のパワーとお伝えしておきたい。

★中野次郎=31号機

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 特訓後に調べてみたらば、これまた三島&高橋アナ推しのコンビモーターだった。なるほど。特訓1本目は起こしからあまりにスムーズすぎて?特大のフライング。2本目のアウト6コースも起こしからズンズン加速してフライング。ラストの2コースだけしっかりコンマ02を決めたが、その出足~行き足もゴキゲンの一語。思わず「班で断然!」と走り書きをした次第だ。出足系統が強そうなので乗りてにみフィットしたパワーと言えるだろう。

★西山貴浩=26号機

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 こちらはスタート特訓では他と似たり寄ったりだったが、足合わせで桑原悠、平高奈菜に全体的に強めな余裕を感じさせた。特にスリット裏付近の直線足がしっかりしていて、最近の西山には珍しくストレートに不安のない前検と言えるだろう。これを手前に寄せるかどうかはともかく、早い段階で「互角以上に戦える」というムードを感じたのだがどうだろうか。

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 他では篠崎元志、丸野一樹の出足~行き足もなかなか強めに見えました。で、エース候補の筆頭格とも言うべき松尾拓62号機は、足合わせで羽野直也より強めだったものの、スタート特訓ではあまり目立たず。今日のところはちょっと期待外れの気配ではありました。実戦でモノの違いを見せてくれるとは思うのですが……。前検タイムです。

前検時計TOP10
①白井英治   6.65
②松井 繁     6.66
③峰 竜太     6.67
④濱野谷憲吾 6.68
 原田幸哉
 上野真之介
⑦前本泰和  6.69
 平本真之
⑨石渡鉄兵     6.70
 毒島 誠
 磯部 誠

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 おっと、なぜかドリーム戦士たちが上位を独占?? 第1班の特訓の時分はナイター照明が点って間もなく、そのコントラストで水面や空中線などが見えにくかったのですが、まさかこの時間帯だけ神風ならぬ“夢風”が吹いたのか? それとも今節のドリーム組はこぞって直線足が強力なのか? なんとなく、狐につままれたようなランキングではあります。

前検ワースト5
①吉村正明   6.86
②長田頼宗   6.83
    湯川浩司
④篠崎元志  6.82
⑤菊地孝平  6.81
 原田篤志
 平山智加

 ワーストの吉村は確かに影が薄く、まったく私の視野に入ってこなかった。前検番長・湯川のこの時計もかなーり心配ではありますね。あと、長田と平山も気配が一息だったし……ただ、4位の元志に関しては、まったく心配がないと思います!(photos/シギー中尾、text/畠山)