BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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下関甲子園TOPICS 初日

十傑ハリケーン、上陸!!

 台風4号が温帯低気圧になって消え去ったかと思いきや、新たに『三島十傑ハリケーン』が下関に上陸だぁっ!! 特に恐るべき猛威を奮ったのは前半1R~5R。三島十傑(←昨日のモーター抽選欄参照)の活躍をダイジェストでお伝えしよう。

【1R】③第十傑・深谷知博、④第七傑・上野真之介dm

 これはもう、深谷が3コースから伸びなりまくり、その攻めに連動した4カドの真之介が注文通りの一撃マーク差し。あっという間に他の4艇を引き離し、まくった差したのふたりだけが気持ちよさげに水面を疾駆した。開幕戦にして、圧倒的なパワー差を感じるワンツー決着だったなぁ。

【2R】②第六傑・平高奈菜

 結果から書くと「2号艇で3着」だからして威張れる成績でもないのだが、パワーの良し悪しは着順だけで量るなかれ。2コースからスリット近辺でスーーーッと覗いていった行き足は、かなーりタダ者じゃないっすよ。道中の2着争いで前本泰和に屈したから出足系統はチョボチョボかもだが、スロー起こしでこれだけパンチ力のある見え方は脅威の一語。いつでもどこでもスリット一撃の大技があるロケット兵器とお伝えしておきたい。

【3R】②第二傑・西村拓也、③第一傑・佐藤翼

 第3Rにして三島十傑の本丸登場! ってな感じで颯爽と飛び出した2騎が、期待に違わぬレースを魅せてくれた。まず、2コースからイン小林泰をブッ差したのが西村33号機。1マークの出口では「惜しくも逃がしてしまったか」的な見え方だったのに、まあそっからの二の足の素晴らしいこと! じわじわひたひた小林に追いすがり、2マークの手前で舳先を深々と捩じ込んで差しきり勝利を決定づけた。どこがどうと言うより、全部の足が余裕たっぷりという見え方。

 そして、三島イチ推し佐藤翼68号も随所に非凡な実戦足をちらつかせた。2番手・小林の背中にぴったり貼りつき、交わすぞ交わすぞ的なプレッシャーを丸々2周に渡って与え続け、最終ターンマークはやや強引な先マイを仕掛けながらも強烈な出足でグイグイ覗いて逆転の2着。1Rの深谷×真之介のボートチェイスも迫力満点だったが、ふたりがかりで小林を蹂躙したこのレースの方が強烈なパワーインパクトを感じてしまった。さすがの三島敬一郎ツートップ。

【4R】③第八傑・茅原悠紀

 そしてそして、三島第八傑にして私の前検横綱・茅原36号機も期待どおりのパンチ力を魅せてくれた。⑤西島義則を入れての4コース(②新田雄史が3カドに引いたため、4カドではなかった)から伸びなり一気の絞めまくり。多分にスタート勝ちの要素も含まれてはいるが、スリット直後から新田を叩ききった二の足~イン金子拓矢をあっという間に呑み込んだ伸び足まで、やはりストレートは平高奈菜49号機と双璧のトップ級と確信した次第だ。
 ちなみに後半8Rの茅原は5号艇の4着に敗れたが、この4Rほどの破壊力は感じられなかった。私の勝手な推測では「まくり差し仕様の出足を付けようとして宙ぶらりんなパワーに落ち着いた」ような気がするのだが、どうだろうか。昨日も書いたように出足▲・直線◎の「諸刃の剣」と、茅原がどう折り合いをつけて戦うのか。舟券とともに最後まで追っかけてみたい。

【5R】①第四傑・片岡雅裕

 1Rから暴れまくった十傑ハリケーンの〆は、片岡マー君の逃げ。正直、私が伸び足だけに期待していた47号機は、その面影がまったく感じられない気配に。昨日、新ペラに交換したのと同時に、出足型へと変貌を遂げたようだ。マー君はしっかり出足を尊重タイプだからして、新ペラがマー君色に染まったということなのだろう。しっかりした出足で危なげなく逃走するマー君47号機は、これはこれでV戦線を賑わす存在になりそうだな。伸びフェチ爺の恋心は、茅原36号&奈菜49号へと移ってしまったけれど(笑)。

 さてさて、直後の6Rは②岩崎芳美&③大池佑来がゴンロクに這い回ったり、11Rに至っては④平高・⑤真之介・⑥翼が枠番まんまの456着に甘んじたり……私の常套手段の「いいとこ取りで読者を煙に巻いちゃうぞ作戦」みたいな記事になってしまったが、それでも「1R~5Rでオール舟券に絡んだ7人の三島戦士たちは、間違いなく今節を牛耳るだけのポテンシャルパワーを保持している」と自信をもって断言しておきたい。

今日の雪国MVP
4700 金子和之(新潟) 9R4号艇2着

――トンネルを抜けると、そこは萬州だった。
 はい、今年もやってきました、道産子・畠山が勝手に雪国育ちの選手だけをエコ贔屓する唯我独尊コーナーだあっ! 今日はもう、わかりやすい一択のMVPでしょ。9Rは①遠藤エミが影をも踏ませぬ鉄壁のインモンキーで逃げきり。ここまでは当然として、ターンの出口からニュッと舳先を突き出したのが、4コースからこっそり二番差しに構えていた金子クンだった。
「なんだよ、4コースから差して2着って、フツーのあるある①-④レースじゃん。エコ贔屓にもほどがあるわ!」
 と黒いツッコミをかました読者さんに問います。だったら、そんなあるある①-④レースでなんで132倍(本日たったひとつの万太郎!)もツけるんぢゃい!? そう、これぞ雪国選手に対する全国のファンの仕打ち。「ボートレース辺境・新潟育ちの金子和之が、地元・山口支部の寺ショーに敵うわけないだろぉ」なんて先入観があるから、法外な配当になっちゃうんですよ。そして、明日からもそんな冷ややかな目で見下される雪口戦士たちが、さらなる大穴をぶち開けるはず。今日の私は9R=三四郎BOXなどというすっとこどっこいな極撰舟券で深雪に埋もれてしまったが、明日こそはチーム雪国の粘り強い走りを特大の配当に換えてみせるぜよ~~!(photos/チャーリー池上、text/畠山)