BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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気温上昇、とっても暑い2日目前半のピットから

 1Rの準備に向かう佐藤翼が通りすがりに「おっ、いいっすね~。気持ちがいい!」と声をかけてきた。何が? どうやら、僕が今日着ているアロハシャツを褒めてくれたらしい。マジか! 佐藤が爽やかにそう言ってくれるとは、これはなんとも嬉しい限り。

 さらに整備室へと向かおうとしていた岩崎芳美も、「今日の、色がいいですね!」とまたまた褒めてくれるではないか! うひょーっ! 僕が、ではなく、服が、褒められたのだが、やっぱり気分が上がりますね。どんなアロハを着ているかは、本日21時30分からライブ配信されるYouTube『週刊BOATBoy』をご覧ください。

 と宣伝もしたところで、僕はアロハ一枚でのほほんとしているが、選手たちは大変なのである。今日は昨日よりも気温が上がった。そして1R展示が始まる頃には日差しも降り注ぎ始めた。暑い、のである。気温が上がればモーターの気配も変わる、ということで、調整が大変になるのはもちろんだが、それ以前にこの蒸し暑さはタダゴトではない。アロハ一枚で突っ立ってたって、汗が流れてくるのだから、長袖姿で動き回り、水面に出るときにはカポック着てヘルメットかぶって、の選手たちはもう汗だくだ。試運転からあがってきた平高奈菜が思い切り顔を歪めているので、暑いっすねーと労うと、「もうヤバいっす。これはヤバい」と汗をぬぐいながら控室へと入っていった。少しは涼んで、水分も摂って、熱中症にならないよう気を付けてくださいね!

 調整に関してももちろんヤバいわけで、平高だけでなく、多くの選手が暑さに耐えて作業に励んでいる。このご時世、換気も大事ということで、整備室のドアも開け放たれているから、空調の利いた室内であっても汗は滲んでくるだろう。鹿島敏弘が出入口の近くで本体整備を行なっていたが、決してひんやり涼しい中での作業ではなかったと思う。

 地元の寺田祥も整備だ。初日に大きな着を並べてしまい、昨日の終盤にキャリアボデー交換をしていたようだったと記しているが、今日はさらに手を加えていた。地元の雄の非常事態に、整備士さんも心配そうに見守っている。内容はよくわからなかったが、地元の意地を見せるためにパワーアップは必須。7Rの気配には注目したい。2R発売中には装着場で作業をしていたが、この暑さなどまるで意に介していないようにも見えた。

 カポック着て、ヘルメットかぶって、さらに勝負服も着て、という重装備になるレースの後は、もう誰もが汗だくだくだ。レースになればあまり気にならないとは聞くけれども、しかし身体はしっかり暑さを感じているから汗腺は開きまくる。2Rを逃げ切った西島義則も、もちろんびっしょりと汗をかいて引き上げてくる。ただし、やはり勝ったことで爽快な気分にはなっているのだろう、いつも険しい表情が少し優しく見えたりしたのだった。まさに、いい汗かいた、って感じだろうか。

 1Rで丸野一樹は2マークでやや失速。着を落としてしまったわけだが、それよりも後続に迷惑をかけたと、そのほうが重大だったようで、かなり痛恨な表情で大池佑来のもとに駆け寄っている。もちろん汗だくだくだくで、それが丸野の焦燥をあらわしているように見えた。

 神妙な顔で頭を下げる丸野に、大池は優しい笑顔で応えていた。気にするな、といった感じで右手を掲げてみせた大池に、丸野はもういちどペコリ。大池も悔しい思いはもちろんあろうが、これはレースの綾というものと割り切っているだろう。大きな着を並べた序盤、その流れを断ち切るべく、このあとも汗をかきながらパワーアップをはかっていく。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)