BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――小下?

 今朝、大トリのレース場入りとなった片岡雅裕。集合時間は12時までだから、なかなかギリギリの到着だったわけだが、これがかなり危機的状況だったらしい。四国から渡った岡山で新幹線に乗り換えるわけだが、間違えて反対方向の便に乗ってしまったというのだ。福山まで行って引き返したそうだが、のぞみ号は福山には停まらない便もあり、これに乗っていたら広島まで行ってしまっていた可能性があった。時間を考えれば、これだと間に合わなかった可能性が! 福山停車便だったのはラッキーだったのだ。相当焦ったようだが、むしろツキもあったし、これで厄も落とせただろうし、気持ち的にはプラス方面に振れたはずだ。もしかして大活躍!?

 などとマー君と話していたら、白井英治が苦笑いしながら「クロちゃん」と声をかけてきた。続く言葉は「俺、モーター運、悪すぎだわ……」。たしかに。白井がSGなどのビッグレースで良機を引いた記憶は本当に少ない。景気のいいコメントが並ぶこともあまりないと言っていい。ただ、この人の凄いのは、それで好成績を残してしまうことだ。前節の甲子園も凡機に苦しみ、整備を行ないながら、なんだかんだで優出。オールスターも決して動きがいいとは見えなかったが、予選トップ通過である。良機を引いていたら優勝してたんでは? などと白井に話したのだが、それには特に返答はなく、「これからは抽選も集中してやるよ!」だって。集中したら良機が引けるというもんでもないと思うのだが(笑)、次のSGでは気合でエースモーター引いちゃって!

 一方、最近わりと良機を引いているように思えるのは石野貴之である。いや、以前からエース機を引いたりするのを何度か見てきたな。そして、そんなときの石野は強い! 昨年のクラシック、不振にあえいでいた石野はなんとA2級勝負駆けという状況にまで追い込まれていたのだが、良機を引いたら見事に優勝! そして勝率をグングンと引き上げて、A1級にも間に合わせてしまったのだった。モーターの引きも含めて、ここぞの勝負所での強さは艇界随一ですね。そして今回も、“三島十傑”のうちの3番手モーターを引いた! 前検での気配は畠山に任せるとして、ピットでの様子を一言で言うなら、ゴキゲン、であった。JLC解説者で大阪支部の先輩にあたる沖口幸栄さんに声をかけられた石野は、爽快な笑顔を見せていたのだ。これは、手応え十分か!? だとしたら、今節は爆走モードに入ったとしてもおかしくなかろう。

 森高一真も“十傑”のうちのひとつを引き当てたが、この人はピットでの様子からは感触をつかみにくい選手の一人である。前検航走からあがってきて、ヘルメットを脱ぐと、おっかないしかめっ面! レースからあがってきたときもたいがいこんな感じで、それは勝ったときも負けた時も変わらないのだから、その雰囲気を見ているだけではぜんぜんわからんちんなのである。ただ、まるで盗み聞きみたいになっちゃうのだが、記者さんの取材を受けている森高が「悪くない」と言っているのは聞こえてきました(スポーツ紙でコメント確認してね)。久々のSGで、いいところを見せてくれるかもしれませんね。

 さてさて、大上卓人のTシャツのフロントには大きく「小下」と書かれているのである。何のこっちゃ。そう首をひねって、次の瞬間に気づくのである。大上のまるっきり反対か! ダハハ、ジョークTシャツですか。

 背中にはピラミッドが書かれ、いちばん上が大上。大中、大下、中上……と下がっていって、いちばん下が小下。そこに人を模した図が入っているので、イマココ、ってことでしょうか。いやいや、充分に大上だと思うのだが、SGを獲れば正真正銘の大上になれる、ってことですかね。後輩の村松修二はオールスターでSG初優出を果たした。次はもちろん大上! まずはここ尼崎で優出を目指せ!

 で、佐藤翼の背中には、翼が生えていたのでありました。今節、思い切り羽ばたいちゃってください!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)