ドリーム戦の記者会見、代表質問を受けながら白井英治は、何度もちらちらとこちらを見るのである。質問への回答は、ポジティブなものが並ぶ。なるほど、これはかなり手応えがあって、記者席に見知ったハゲがいたので、そのゴキゲンぶりをあらわしていたのだろう。会見を終えて退室する際も、ちらちらと目配せする白井。そして去り際、「久しぶり」と笑って、姿を消したのだった。
そう、このところの白井はといえば、凡機に悩まされてきた。今年に入ってのSGでいいモーターを引いたことはなく、整備室でも何度も姿を見るほど、整備調整にあくせくする白井だったのだ。「久しぶり」はもちろん「久しぶりにいいやつ引いたぞ」。で、凡機に苦労してきたSGでも、常に上位で予選を突破してきた白井である。好感触のモーターを引き当てた今回、さらなる大爆走が期待できるわけである。
ドリーム組は軒並み2連対率の数字がないモーターを引いた選手が揃ったのだが、これまた揃って、数字以上の感触と会見では口にしていた。峰竜太が強気な言葉を並べるのはまあいつものことではあるが、それでも最近はダメなときはダメとはっきり言うのであって、「下がらないし、整備の必要はないかも」という言葉は「ペラで仕上げていけるだろう」という明るい希望の表明である。
新田雄史など、「明日はこのまま、何もしないでいくと思う」と言った。つまり現状でも戦える足はあるということだ。もちろん、明日は一日たっぷりあるので、慎重に点検などは行なうはずだが、大きな作業をすることなく、12Rまでを過ごすことになりそうだ。
6号艇の平本真之は、前節の蒲郡で引いたモーターを引いた。ただし、仕上げ切れないまま途中帰郷となってしまった前節、引いた瞬間は「面白くないなあ」と思ったそうだ。前節で噴いていればそりゃあ心躍るだろうけど。それでも、自分の調整の痕跡がそのまま残っているというのは、むしろ好材料ではないのか。ペラだってどこまで叩いたかわかっているだろうし、モーター自体の調整も何をしたのか覚えているはず。ちなみに、前回はチルト0度で乗っていた。この取り付けについても考えることができるはずだ。明日1日、何をどう調整してくるのか、注目してみよう。
さて、負傷明けで登場した丸野一樹が三島A評価のモーターを引いた。足色については畠山がチェックしているだろうが、やはり気になるのはレバー操作に違和感はないのか(負傷は左手)。まあ、ケガをして以来の水面なのだから違和感があって当然ではあって、そのへんは丸野も認めていた。だが、レースにはまったく問題はなさそうとのことで、まずは一安心だ。それでも今節は焦ることなく、落ち着いた走りを見せてほしいもの。まあ、これで大活躍なら超カッコいいけどね(笑)。そういうことを本人に話すとその気になっちゃいそうなので、黙っとくけど。
また、三島イチ押しの69号機を引いた谷村一哉は、前検航走後も入念にペラと向き合っていた。そういえば、白井が「足合わせをした谷村くんもかなり感じが良さそうでしたね」と証言している。それをさらに煮詰めるべく、前検日から遅くまでペラ室にこもった。明日は7R5号艇。これは好配当が狙えるかも!?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)