BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――冷えたピット

 今日は気温がぐっと下がった。ピットに掲げられている風向風速等を示すモニターには6℃前後が表示されていて、昨日は11℃前後だったので5℃ほど冷えたということになる。風も強いから、ピットはめちゃ寒いです! それよりも、冷えれば回転も上がりやすいわけで、グランプリ組はそれも考慮に入れつつのペラ調整となる。というわけで、ペラ室には多くのグランプリ組の姿が見られるのだった。
 ひとまず、大きな整備をしている選手は見当たらなかった。瓜生正義が試運転から上がってきてモーターを整備室に持ち込んだが、本体を割ることはなく。点検ということだったのだと思うが、整備室での動きはその程度しか見なかった。

 トライアル1st初戦大敗で崖っぷちとなった面々は、やはり調整に励んでいる。毒島誠がペラ室にいるのはまあいつものことだとしても、得点状況や外枠を引いてしまった2戦目のことを考えれば、何か意味があるのではないかと深読みしてしまう。

 6着大敗からの6号艇、というピンチに直面してしまった上條暢嵩も調整に励み、3R発売中には水面へ。この局面を打開するための秘策があるのかどうか、ひとまずピットで見る範囲では何とも言い難い。表情はわりと落ち着いており、悲壮感は見えないのだが、それをどう受け取るべきかも、やはり何とも言い難いところだ。

 初戦5着の椎名豊は、1Rで転覆してしまった山田哲也のボート引き上げや転覆整備のヘルプに追われていた。同支部や同地区が一致団結して行なうこうした作業に関して、グランプリ組がどうとかは関係ない。若手である椎名はなおさらだ(というわけで、関浩哉が最も積極的に動くわけです)。その合間にもさまざまな選手と神妙に会話を交わしていて、それは調整の方向性などを相談しているということなのか。中盤の時間帯には調整のピッチが上がっていくことだろう。

 2nd組に関しては、2R発売中にスポーツ紙用の集合写真の撮影が行なわれていた。6人が並んでスポーツ紙カメラマンの皆さんがシャッターをびしびしと押すわけだ。最初、山口剛の姿が見当たらず、これを2nd組では最も若手である深谷知博が探しに向かった。

 ところがその直後、山口がひょっこりとあらわれ、今度は深谷が不在という事態になった。深谷はあちこち探し回ったのだろう、数分後にピットに戻ってくると、山口がニヤニヤしながら待っている。深谷は大笑いしながらも2nd組の輪に入って、ようやく撮影が始まったのだった。

 そんな和やかな時間の後は、片岡雅裕がボートを着水。今日も早々に試運転を始めるようだった。そのほかでは原田幸哉は朝の特訓後もボートを上げずに調整と試運転。2nd初戦を明日に控えて、だんだんと調整のピッチが上がっていっている雰囲気がたしかにある。

 シリーズ組。先述した、2nd組が深谷を待っている最中に、前田将太がこの撮影会に乱入した。菊地孝平の腰を抱いてポーズを取り、カメラマンさんたちも面白がってバシャバシャバシャ。こらこら。悪いけど、あなたはお呼びではないんです(笑)。というか、これは来年はこっちに入るんだという意思表明ということでよろしいか? ここではそういうことにしておきますので、来年は頑張れ、前田将太!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)