BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――クラシック佳境!

 ワールド・ベースボール・クラシックの日本vsメキシコ戦が行なわれていた午前中、ではあるが、ボートレース・クラシックは最終日! 選手たちはピットで精力的に動き、戦いの準備を着々と進めていた。
 といっても、優勝戦組にはやはり大きな動きは見当たらない。それぞれに仕上がりがいいからファイナルに駒を進めてきたわけで、目立った調整をする選手が少ないというのはまあいつものことだ。ただし、係留所には緑色のボートが! 約8年前の年末、この平和島水面を沸かせた茅原悠紀の緑のボート。今朝のスタート特訓に出た後、そのまま係留所にボートをつけて、早くもペラ調整に勤しんでいる。もちろん、あの衝撃の再現を本人も狙っていることだろう。

 朝のスタート特訓には、土屋智則と池田浩二が出ていなかった。土屋のモーターにはペラがついたままで、ゆったりとした時間を過ごしている。報道陣と話し込む土屋に、磯部誠が「緊張しすぎで目が開いてないよ」とからかいの言葉。いや、土屋はもともと目が細いんですけど。そうした言葉も、土屋をほぐそうというものだろう。緊張感はあって当たり前。報道陣と会話をしているのも、緊張をまぎらしているというふうに見えなくもない。だとするなら、それも優勝戦への調整だ。メンタルの調整。1号艇にすわる者としては、それは機力の仕上げと同等に重要なことかもしれない。

 池田のモーターからはペラが外れていたが、叩いている様子は見当たらなかった。序盤の時間帯はゆったりと過ごし、折を見てすぐに取り掛かることになるのだろう。百戦錬磨の池田だけに、エンジン吊りに出てきたときの様子は貫禄十分。余裕が感じられる。

 これが2回目のSGファイナルとなる羽野直也も、調整はこれからのようだった。エンジン吊りからのモーター返納のお手伝いなど、まだまだ若手の部類に入る羽野は、そうした雑用系に忙しそうにもしていた。

 篠崎元志のモーターにはペラがついていて、こちらもゆったりと時間を過ごしている様子。石野貴之は2R終了後のエンジン吊りに参加したあと、ペラを装着。水面に出る準備を始めていた。午後に入ったあたりから、動きが活発化しそうだ。WBCは日本が勝った。ボートレースクラシックはここからが佳境!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)