BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

個人も団体も負けたくない!の初日後半ピットから

 初日団体戦は一進一退。オープニング5Rで外枠のルーキーズがポイントをもぎ取り、6Rでは外枠のレディースがもぎ取り返す……かと思いきや、1号艇の加藤優弥、4号艇の高憧四季がともに待機行動違反でノーカウント(加藤が逃げ切り、高憧は4カドからまくって加藤に肉薄と、二人のワンツー決着だったのだが……。加藤の逃げ切りはお見事でした!)。7R以降は内枠に入ったチームが順当にポイントを獲得している。今日はルーキーズ内枠が3個レース、レディース内枠が5個レースだったから、5Rでルーキーズが外枠ブレイクした分、接戦となった格好と言えるだろう。

 ただし、団体戦への意識が強くとも、同時に個人優勝も争っているのがこの大会であり、また「団体ポイント獲ったから敗れても良し」とは簡単にいかないのがボートレーサーの本能というものである。
 8Rは、内枠のルーキーズ3人が1~3着を独占。このレースに関して言えばルーキーズの圧勝であった。しかしながら、バックで3艇並走になったその3人――上瀧絢也、冨田祥、小坂風太の鍔迫り合いといったら! 間に挟まれた小坂が浮き上がりそうになるほど、意地がぶつかり合った。この3人でそのままゴールすれば1ポイントは入るが、しかし1着は自分でありたい! そんな思いが立ち上るかのようなシーンである。勝ったのは小坂! 本日連勝! ぶんぶん握って冨田を競り落とした格好だ。足も良さそうだが、小坂曰く「乗りやすい。浜名湖はいちばん乗りやすいんです」とのこと。その部分があれば、握りまくることができる小坂風太、と覚えておこう。

 一方、1号艇で3着に敗れた上瀧は、悔しそうな顔をのぞかせるのだった。安河内健に声をかけられると、渋面を作って首を激しく横に振る。レースぶりなのか足なのか、いずれにしても納得いかない様子を見せたのである。安河内とすれ違ってもまだ、何度か首を振っていた上瀧。団体ポイントを取れたのは何よりだが、しかし自分の敗戦はただただ悔しいわけである。

 10Rの宮田龍馬にしても同様。3コースから放ったまくり差しは、インから先マイした安河内健に舳先を掛けた。たまたま隣同士でモニター観戦していた藤森陸斗が「入った!」と声をあげたくらい、鋭いまくり差しだった。しかし、バックでじわじわ安河内が振りほどき、宮田は2着。このワンツーフィニッシュで団体ポイントはルーキーズに入るわけだが(結果的に羽野諒が3着で上位独占)、レース後の宮田はやはり悔しそうに顔を歪ませていた。バックでは内側でかなり粘っていたあたり、やはり1着を獲りにいく気持ちが強いことがうかがえたし、だから競り負けたことに悔恨をつのらせる。もちろん、控室へと戻れば1ポイント獲得を安河内らと喜び合ったと思われるが、レース直後は個人の思いが前面に出るのもむしろ自然なことなのである。

 とはいえ、やはり「これは団体戦!」という思いも選手たちにはあるのであって、7Rを勝った土屋実沙希は嬉しそうに笑顔を見せていた。それは個人の勝利に対してのものかもしれないが、彼女が紅組団長ということを考えれば、地元同士の柴田百恵とのワンツーで団体ポイントをゲットしたことへの歓喜もあったと考えるのが自然であろう。選手たちのなかにも、そうした「2つの勝利への欲求」があるのが、レディースvsルーキーズ! この独特な大会だからこそ、うかがい知れるものがあるのは間違いなく、それがこの大会の醍醐味でもある!

 さてさて、昨日のレース場入りの記事で、「レディース24名とルーキーズ24名が集結した」と書いているが、実は大嘘で、レディースは昨日の時点では23名なのでありました。申し訳ありません。というか、ぜんぜん気づいていませんでした。欠場があったのですね。というわけで、明日から村上奈穂が追加参戦! 本日ひとりだけの前検が行なわれ、合格しています。賞典除外ということで個人優勝争いには加われませんが、レディースの団体優勝のため、奮闘します。というか、昨日まで唐津を走ってませんでしたか? 芦屋大会の西村美智子も宮島→芦屋と中0日で2日目からの参戦でしたが、勝利と団体優勝で疲れを癒してくださいね!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)