BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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芦屋オールスターTOPICS 初日

大怪獣シーナの外でしょ!!

 嗚呼……伸びフェチまくりフェチの私は、2年ほど前から椎名豊を「強力なまくり怪獣シーナ」としてマイ怪獣ファームに放牧、飼育していた(←妄想)。舟券での必殺技は【怪獣シーナの外⇒シーナ】。つまり、シーナが2号艇なら【③-②】、3号艇なら【④-③】で、600倍はじめ5回ほど万舟をGET。2021年のシーナ絡みの舟券回収率350%に及ぶ。
 で、なぜこんなに【怪獣シーナの外⇒シーナ】で大穴が多発するかというと、答えはたったひとつ。シーナが怒涛の絞めまくりでインを叩き潰しに行くからだ。なんちゅうか「たとえ外の誰かにズッポリ差されるとしても、俺は敵の大将(インコース)の首を獲りに行く」みたいな戦国武将みたいな刹那さ、潔さがある。今節は伸びるから絞めまくる、とかそういう些末的なまくり怪獣とは一線を画しているのだな(同類は、今垣光太郎や西村美智子)。

 そして、今日の11Rでもそれは起きた。3コースから質のいい全速スタートを決めて、人気のインコース松井繁を一刀両断! 強引な絞めまくりでシーナ自身も流れている間に、この攻めに連動した4カド篠崎仁志がごっつあんマーク差しで突き抜けた。さらに3着に超人気薄の⑥中村桃佳が突っ込んで、3連単④-③-⑥は泣く子も大笑いする80530円!!

「ま、マジか、ここでか??」
 私は茫然とでっかい配当を見つめるのみ。1年ほど前まであれだけ大好物だった【④-③-全】どころか、私は1枚も舟券を買わずにこのレースを見ていた。なぜか。大怪獣シーナが去年の7月にSGを獲ったから。私はマイ怪獣ファームからシーナを追い出し、野に放ったのである(←妄想)。
「シーナ、これからはしっかり人気に応える王道のスター怪獣になりなさいよ。SGレーサーらしく、強引な絞めまくりも封印しなさいよ」などとつぶやきながら。
 だがしかし、やっぱりこの獰猛なまくり怪獣は、SGを獲っても獰猛なままだった。それを肌身で実感させる800倍だった。嗚呼、大怪獣シーナ、勝手にファームから追い出しだ私がバカでした、ごめんなさい!!(つか、単なる自業自得です、はい)

 さてさて、初日の12Rをガン見して、足色の目立った選手をふたりだけ取り上げておこう。

★平山智加64号機

 とにかく前半2Rのレース足が絶品の一語。3カド今垣光太郎まくりに乗ってのマーク差しは、やや攻め遅れてバック混戦模様に。そこからしっかり伸びて2番手確保~2マークはターン漏れの大外ぶん回しから舟がしっかり返って再び2番手確保~2周1マークは握るか差すか少し迷ってからの握りマイで攻めが遅れたが、これまた舟がしっかり返ってやっぱり2番手確保。何度かのピンチを強力な実戦足でしっかりカバーし、最終的に悠々2着を取りきった。つまり、どこの部分をとっても智加64号の足色は「しっかり」していた。

 一方、後半10Rは5号艇で6着惨敗。前半の貯金をあっさり切り崩してしまったが、敗因ははっきりしている。ピット離れで凹んで6コース回り(スタ展ではむしろ両隣より出て行ったからタイミング不良か)~最内差しから伸びきる手前で高田ひかるに絞め込まれて減速、万事休す。レースに参加できずに敗れた見え方で、パワー云々とは無縁の6着だった。明日からの巻き返しに期待したい。

★石野貴之14号機

 前検でトップ足候補に据えたが、その期待に違わぬ鬼足。前半5Rは4カドからまくり差し快勝。「①渡邉優美S凹み×②深谷知博ジカまくりで競り模様」という展開の利も多分にあったが、複数の引き波を超えて出て行く押し足~バック中間で後続を突き放すストレート足は迫力満点だった。石野がゴールを通過した瞬間、記者席では気の早い面々から「優勝おめでとーー!」の声が漏れ伝わった。

 後半10Rは3コースから正攻法の握りマイで2番手進出。初動の直後に舳先が浮いたロスで①茅原悠紀に突き放されたが、ターンマークごとに不気味ににじり寄る追撃足も秀逸。茅原を追いつつ、後続をどんどん突き放していく様は「余力たっぷりの2着」という言葉がぴったりだろう。一見地味な2着だが、底知れぬポテンシャルを感じさせたのは、むしろ前半よりコッチだった気がするのだが、どうか。
 

 その他のパワフル戦士たちは倉持莉々、下條雄太郎、原田幸哉、山崎郡、稲田浩二、高田ひかる、菅章哉、篠崎元志あたり。で、スリット近辺のパンチ力でいちばん怖そうに見えたのは宮地元輝でありました! このあたりのパワー鑑定は3日目くらいに詳しく紹介します!(photos/シギー中尾、text/畠山)