BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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浮かない顔もちらほら……の3日目前半ピットから

 1R田口節子、2R井口佳典と、銀河系が立て続けに逃げ切った3日目序盤。田口は大きな着順が並んでいたが、連敗街道脱出。だというのに、引き上げてきてヘルメットを脱いだ顔は、とことん渋いものだった。同期の田村隆信と言葉を交わしつつ、その間ずっと眉間にしわが寄ったまま。とても勝者のレース後には見えなかった。足的にはまったく満足がいかない、というより、不満しかないのだろう。その後キャブレターを外して整備室に向かっており、今日は時間をかけて立て直しをはかる心づもりのようだ。

 井口のほうは、どこかスッキリした様子に見えた。昨日の妨害失格で賞典除外だが、しかしレースに臨んで気が緩むような男ではない。それでも、1着を獲ったところで先の見通しがないわけだから、単純に勝利を喜ぶしかできないわけだ。このレースでは最も先輩だが、やはり後輩たちのもとに歩み寄りながら丁寧に礼を尽くす。20歳も年下の梅原祥平にも頭を下げていたのだから、まったくもってナイスガイなのである。

 1Rでは木場悠介が6着大会。ゴンロクを並べてしまっている。どうしたって表情が冴えようもなく、元気もないように見える。レース後、本体整備に着手。7Rが控えており、あまり時間がないなかでもパワーアップを目指して本体を割った。これで少しでも上向けばいいのだが。今節、木場とは初対面だが、ぜひとも明るい表情を見たいもの。

 表情が冴えないのは倉持莉々も同じ。初日5着、2日目6着2本で、2Rは4着。少しだけ着は上がったけれども、これではなんの慰めにもなるまい。エンジン吊り時には先輩たちも心配そうに声をかけており、機力的にはかなりの重症。ピットで取材をしている元選手で、倉持と同期の佐藤享子さんにもたれかかるような場面もあって、心安い相手だからこそ内面がそのまま仕草にあらわれたように見えた。今日は1回乗りで、試運転のプレートをつけていたから、この後はなんとか立て直そうともがくことだろう。

 今日は選考順位下位勢に2回乗りが回ってくる日。1Rでは多田有佑が2着! 3コースから握って逃げた田口に追随し、そのまま番手をキープした。評判機らしい動きをみせたレースだったといえる。といっても、レース後の多田は淡々としたもので、特に意気上がる様子でもなかった。

 それは2Rで3着となった梅原祥平も同様。勝率2点台のルーキーがGⅡで舟券に絡んだのはお見事だと思うのだが、レース後は特に表情を変えることなく、粛々とエンジン吊りをするのみなのだった。まあ、道中2番手を走っていたのに抜かれてしまったことが悔しかった、というのもあったかも。ともかく、B級勢の奮闘を応援しています! 舟券の配当的にも(笑)。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)