BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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赤カポックが早くも……の5日目前半のピットから

 3Rで1号艇に組まれた梅原祥平だったが、イン発進ながら太田和美の6コースまくりを浴びて3着。うーん、残念! エンジン吊りでは中四国の先輩たちが笑顔で梅原に慰めの言葉をかけていた。西島義則も「早かったか? 放った?」と優しく声をかけて、鳥取と島根の絆!? 今節最年長と最年少のふれあいはほっこりシーンだった。

 もちろん、同支部の先輩である茅原悠紀の表情は優しい。茅原はペラ室でレースを見ていたようだったが、リフトへと向かう最中にも「ダメだったかあ」といったような微笑を浮かべており、なんとか逃げ切ってほしいと願っていたのは明らか。まだ勝率2点台の新人がGⅡの舞台でSGウィナーと勝負する、その姿を身内のような心持で見ていたに違いない。

 予選トップ通過の石丸海渡も中四国の同地区ということで、エンジン吊りに参加し、梅原にたくさんの言葉をかけていた。もちろん笑顔。ようするに先輩たちは、残念だったがよく頑張ったな、と健闘を称えていたわけだ。もちろん梅原自身は悔しさいっぱいだっただろうが、この大会のシリーズリーダーも気にかけてくれていたことを誇りに思っていいだろう。
 あ、そうそう。石丸自身には、予選トップのプレッシャーのようなものは感じませんでしたね。全国的なシリーズとはいえ、GⅡ。SGのようなヒリヒリ感が薄いのもまあ当然ではあろう。

 どちらかというと、関浩哉のほうがピリピリしているように感じたのは気のせいか。準優1号艇はもちろん緊張感に包まれる状況ではあるが、それこそGⅠ初出場で準優1号艇に乗った18年ヤングダービーのほうがもっと自然体だったように記憶している。あのときは完全にチャレンジャーとしての参戦だったわけだが、今回は数多くの修羅場をくぐり、しかも節イチクラスの相棒を味方にしている本命筋のひとりである。あのヤングダービー以上に、戴冠を意識していたとしてもおかしくはないだろう。

 もうひとりの1号艇である池田浩二はリラックスムード。今井美亜に請われて、モーターの取り付けについてアドバイスを送っていたのだが、それを受けて作業する今井を見守りながら、手にした定規で野球の素振りのようにフルスイング! ホームラーン! と叫びたくなるほどの鋭いスイングでした(笑)。GⅡの準優1号艇で緊張するわけがないですね、このスーパースターが。もちろん、自分の作業も粛々と行なっており、すでにペラ調整も始めていた。

 準優組で朝から試運転に励んでいたのはまず金子拓矢。結果的に予選18位での準優進出だったが、足はまったく問題なく、大きい着はあくまでレースの失敗だったそうだ。6号艇だけに、もうひとつふたつ上積みをはかっておきたいところで、そのあたりを模索しての早い始動だったか。

 あとは片岡雅裕、佐藤翼、中島孝平の3号艇トリオ。まあ、同時に水面に出ていたのが赤カポック軍団というのは偶然にすぎないわけだが、早くから精力的に動いているのはやはりもう一丁、上積みが欲しいところか。スリット同体なら攻め役になりそうな3号艇だけに、パンチを意識した調整も行なっているかも。

 あと、馬場貴也は3R発売中に着水で、これも準優組では早いほうでした。馬場は今日で20連勤目。疲れた素振りも見せずにシャキシャキと動いていて、本当に頭が下がります!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)