BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

鳴門レディースvsルーキーズTOPICS 3日目

まさかのイン逃げ8連発!?

★3日目の団体戦

 2日目までの合計ポイント=【紅組9-7白組】
※簡単な勝利チームの見分け方。
A=1・2着または1・3着を占拠すれば文句なしの勝利。
B=それ以外は6着を取らなかったチームが勝利。
(スタート事故や失格、反則等のアクシデントを除く)

【5R/白組が好枠】

 初日の1-7という前代未聞の大敗から、一気に7-9まで追い上げて波に乗るルーキーズ。内枠シードの口開け戦も、団体戦として完璧な試合運びだった。スリットから覗いたのは4カドの④木村紗友希。行き足も強力な紗友希は伸びなり絞めまくりに出たが、カド受け③中村栄治がこれを徹底ブロック。キッチリと紅組の攻めを止めている間に①香川颯太が逃げて②木下雄介が差して、団体戦として負けようのない鉄の要塞を築き上げた。【白組1-0】
※チョイメモ/紅組のエース⑤平高奈菜はなんとか3着に食い込んだが、やはり道中の追い上げ足に覇気が感じられない。前の2艇に迫る余力なく、逆に4番手・木村にジリジリ詰められている見え方でもあった。パワー差だけなら明らかに木村が優勢だと思う。

【6R/紅組が好枠】

 勢いそのまま白組がここもブレークを決めて9-9の同点か? と見ていたが、好枠の紅組が有利なスタート隊形からキッチリと押しきった。①赤井睦が逃げて③海野ゆかりが少し幅を持たせた握りマイ。ターン出口でわずかに海野が覗いた気もしたが、内コースの利を生かして赤井が待望のシリーズ初勝利。海野も危なげない2着で、団体戦として5戦ぶりの勝利をもたらした。【紅組1-1】
※チョイメモ/三島敬一郎の第二席・海野68号機はさすがの安定感で3312着とオール3連対をキープ。ただ、今のところ三島鑑定【A++】ほどのパンチ力は感じられず、ターン回りが強めの中堅上位あたりと値踏みしている。

【7R/白組が好枠】

 ここまでホーム追い風1~2mと微弱な影響もあるだろう。朝からスタートが揃って内コース有利の展開が続いている(4カド垂水が絞めまくった4Rを除く)。このレースも内4艇がほぼ横一線のスリット隊形から、ダッシュの紅組が仕掛ける前にすたこらサッサの必勝形を築いた。①若林樹蘭が逃げて②為本智也が差してのワンツー決着。リアルタイムで書いているのだが、今日はこのまま「好枠シード組のキープ合戦」になってしまうのだろうか……【白組2-1】
※チョイメモ/樹蘭72号機は三島第四席だし前検トップ時計だし成績も2221着だし悪い道理がないのだが、今日は為本に詰め寄られた実戦足にやや物足りなさを感じた。前節、72号機に乗って優出3着だった濱野としっかり情報交換し、鉄壁の大将・副将ラインを築いてもらいたい。もしかしたら、為本10号機がどんどんパワーアップしてるのかも??

【8R/紅組が好枠】

 うむむ、白組が1-2決着なら紅組は1-3決着のお返し技。ただひとりインからゼロ台まで踏み込んだ①今井美亜が1マーク先制で独走状態に。3コースから握った③新田芳美もすぐにセイフティの2番手を取りきり、これまたあっという間にシード組の勝利を決定づけた。うーーん、今日の団体戦はここまで4戦すべて1マーク出口で完全決着。書くべきtopicは皆無に等しく、しかも自称穴党として手も足も出ない1-2・1-3決着ばかり。これは参った。【紅組2-2】

※チョイメモ/前半2RのフライングでF2持ちになった⑤仲本舜だが、スタートはコンマ15まで突っ込んだし道中の捌きもなかなかに達者で3着入線! 明日以降もヒモ穴として軽視できない存在だ。

【9R/白組が好枠】

 こ、これは……5Rから1-2・1-3・1-2・1-3ときて、このレースはさすがに②濱野斗馬が暴れて別路線の展開かと思いきや、F持ちの①垂水悠がインからコンマ04まで突出して堂々のイン逃げ。さらに人気を分け合った斗馬がすんなり差して追走し、これまたターン出口で1-2隊形=団体戦必勝の光景を作り出した。マジかーーー!!?? 【白組3-2】

※チョイメモ/無傷の4連勝からの2着。はじめて道中で追う立場になった濱野14号機は、確かな足取りで垂水を追走。とは言え猛追と呼ぶほどの鬼足でもなかったから、現状の評価は全部の足が強めのバランス型=A【出A・直A】がぴったりと見た。今節のパワー相場的に、これでファイナル1号艇ならキッチリ逃げきれるレベルではある。

【10R/紅組が好枠】

 結果を先に書くと、5Rから1-2・1-3・1-2・1-3・1-2ときて、まさかの1-3!! 「白組1-2⇔紅組1-3の連鎖法則(自称穴党の私にとって無間地獄)」が続いたのだが、団体戦は思わぬ形で白組のブレーク勝利となった。②関野文の妨害失格。1マークで振り込み自身も横転したところ、後続の⑤三木晴斗が避けようとしてこれまた横転。悪質な事故ではなかったが、引鉄を引いた関野が妨害、もらい事故の三木は責任外の失格となり、規定によって白組の勝利となった。【白組4-2】で、初日からのトータルポイントはついに【11-11】のイーブンになった。
※チョイメモ/実施要綱に記された規定「団体戦において、チームに選手責任によるスタート事故をした選手、妨害失格をした選手(中略)又は不良航法をした選手若しくは待機行動実施細則違反をした選手がいる場合、相手チームに当該レースにおけるポイントを付与する」

【11R/白組が好枠】

 ついに、団体戦での白1-2×紅1-3の応酬は6連で途切れた! この法則を打ち破った立役者は④細川裕子。4カドからスタートでやや凹んだものの、鋭い差しハンドルでバック最内を快走。逃げる①島川海輝を脅かす鬼足で2着を取りきった。まぁ、自称穴党からすれば1-2が1-4に変わっただけで、どっちにしても本命決着だったけど……団体戦としても、やっと「1・2着独占の圧勝」というワンサイド形態は崩れたが、3着に③相馬翔が食い込んで白組の1・3着での好枠キープとなった。【白組5-2】でトータルでも大逆転!
※チョイメモ/既に書いたが、今日の細川20号はまさに鬼足。初日1Rも半端ない追い上げを見せており、おそらく調整を合わせ切ると超抜モードまで跳ね上がるのではないか。着順にはムラがあるが、優勝戦の外枠でも怖い存在とお伝えしておこう。

【12R/紅組が好枠】

 嗚呼、ここもやっぱり……なんとなんとなんと、今日の団体戦は8戦とも怒涛のイン逃げ決着で幕を閉じた。1-3を重ねてきた紅組シードは、最後だけ1-2決着。「無風の鳴門に渦潮なし」ってな感じで7Rあたりから覚悟はしていたのだが、それにしてもの1-2・1-3・1-2・1-3・1-2・1-3・1-4・1-2……マジで書くべきTOPICの少ない1日だった。このレースで逃げた①西橋奈未が「前半のリング交換で大幅にパワーアップ⇒最後は1分45秒2の鬼タイム!!」とだけ特記して、トータルポイントに移るとしよう。

     ★合計ポイント★
 紅組1212白組

 初日の紅組7-1から、ついに互角の勝負になりました、とさ。最後に、私なりにパワー良好と見ている選手を両チームから5選手ずつピックアップしておこう(賞典除外選手は除く)。

レディース

★高憧四季 A【出A・直A】死角のない実戦足で上り1分45秒3の鬼時計!!
★細川裕子 A【出A+・直B+】調整合えば節イチ級の出足・回り足に
★西橋奈未 A【出A・直A】中堅以下と思いきやリング交換等で一変!
★海野ゆかり B+【出B+・直B+】全体強めも三島二席ほどの迫力はなく
★西岡成美 B+【出C+・直A+】回って重いが常にスリット一撃の可能性

ルーキーズ

★小林孝彰 A+【出S・直A】引き波超えて出て行くターン回り&押し足!
★濱野斗馬 A【出A・直A】自力一撃のパンチないが死角のない好パワー
★垂水 悠 A【出B+・直A+】チルトの上げ下げで常に一発アタマあり!
★為本智也 A-【出A・直B+】今日の若林を追撃した出足系統に魅力
★若林樹蘭 B+【出B+・直B+】↑為本に追い回されたが十分に戦える領域

(photos/チャーリー池上、text/畠山)