BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

斗馬がとうまった……難解調整の3日目後半ピットから

 濱野斗馬が止ぅまった~~…………。9R、2号艇で登場した濱野は、垂水悠のイン逃げを許して2着。それでも準完全ペースではあるのだが、ちょっと残念……。濱野自身は特に感情を表に出してはおらず、その内心ははかりにくかったが、ある程度は意識していたはずなので、悔しさ半分といったところか。

 逃げた垂水もまた、淡々としたレース後。濱野の連勝を止めたとか、あるいは濱野とのワンツーでポイントをもぎ取ったとか、そういった歓喜のようなものも見えなかった。というわけで、この大会的にはなかなかトピックのある一戦だったのだが、上位2人については大きな感情の波は見えなかったのであった。

 ちょっと悔しそうな顔色になっていたのは小林孝彰。3番手追走でルーキーズの上位独占が見えていたのだが、高憧四季に逆転を許してしまった。まあ、白組ワンツースリーがどうこうは別にして、抜かれたことはやっぱり痛恨に決まっている。

 抜いた高憧はといえば、特に表情を変えることもなく、小林に軽く頭を下げている。というわけで、このレースの上位勢は実に淡々としたレース後。私事ですが、軽く意気込んでピットに陣取っていたので、少々拍子抜けだったのであります。

 10Rでは残念な事故が起こってしまった。関野文が転覆したのだが、これが三木晴斗を巻き込んでしまい妨害失格に。1着・西岡成美、2着・岩崎芳美の工務店コンビのワンツーだったのだが、ポイントはルーキーズに渡ってしまった。

 それにしても、三木は今節2度目の転覆。なんとツイてない……。幸いなことに身体は無事。先輩たちが心配そうに声をかけていたが、朗らかに「大丈夫っす!」と控室へと駆けて行った。ただし、残念ながら途中帰郷。今節中の水神祭はかなわなかった。まずはしっかり身体を万全にして、近いうちに初勝利をあげることを期待しています! 頑張れ!

 ワンツー決めた工務店コンビだが、ピットに戻ってくると岩崎が西岡を呼び止め、真剣極まりない表情で話しかけていた。どうやら事故艇があったときの走り方をアドバイスしているようで、たしかに岩崎との差を詰まる場面があった。あれでは抜かれかねないよ、なのか、あれでは危ないよ、なのか、ともかく先輩の経験を授けていたわけだ。開会式ではお茶目な二人だが、仕事は真剣そのもの! やっぱり岩崎は優しい先輩なのだ。

 ところで、9Rを逃げ切った今井美亜が、「モーター自体は良さそうだけど、合わせ切れていない」と言っていた。さらに、7Rを逃げ切った若林樹蘭も同じことを口にしている。二人とも三島敬一郎が高く評価したモーターを手にし、若林はオール2連対、今井も明日の勝負駆けに持ち込んでいるのだが、回転調整がいまひとつしっくり来ていないようなのだ。

 11R、島川海輝が逃げ切り。出入りの激しい成績となっているが、1号艇で逃げ切れたのには安堵したことだろう。ところが、出迎えた山崎祥が言うのである。「なんかいつものターンじゃない」。島川もその言葉にうなずいてみせた。

 さらに、2着の細川裕子が島川に「なんか、めっちゃ回りすぎじゃない?」と話しかけていた。今節は回転を合わせるのが難しいのか!? ピットの気圧計を見ると、1300弱hPaでかなり高い。これが原因か!? 一方で気温は高めに推移しており、回る条件と回らない条件が混在している!? すでに3日目だが、なかなか調整が難しい一節となっている模様。明日もまた気候をチェックするしかない。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)