BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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氷雨のなかを走る!2日目後半ピットから

 今日は終日、雨模様。時に強く降りつけてもいて、冬の寒さがいっそう身に染みる一日でありました。
 そんな気候のなかでも、レースを終えて試運転に飛び出す選手が多数。いちばん雨脚が強かったときに、中谷朋子が決然と水面に降りていった姿には感服したのであった。すでにベテランの域に入り、4月にはマスターズチャンピオンにも出場予定。ビッグタイトルにはいまだ縁はないけれども、大病をも克服して、堂々の実力者としてこの舞台に立っている中谷である。しかし、決して悠然と構えているだけでなく、冷たい雨の中を懸命に走っている姿には感動すら覚える。闘志は少しも衰えることがないのだ。

 ほぼ同じ時間帯に松本晶恵がリフトに乗り込んでいる。松本はクイーンズクライマックスを唯一、複数回制しているGⅠウィナー。しかし、そうした実績にあぐらをかいたりもせず、雨が降っていようが走るべきときは走る。こんな雨だから今日はゆっくり、なんて発想はかけらもないのだなと思うと、やはり頭が下がるというものである。

 10Rの締切間近に、實森美祐が試運転の準備をしていたのには驚いた。すでに10R発売中の試運転タイムは終了していたので、つまり11R発売中にわざわざボートを下ろして試運転を走ろうとしていたということである。實森は2着1着と好成績で今日の戦いを終えている。それでもまだ、仕事を終わらせようとはしなかったのだ。実際、11R発売中には氷雨に打たれながら水面を駆ける姿があった。ドリームは新ペラでの出走となっており、さらにペラを煮詰める必要を感じていたということだろう。

 同じタイミングで、柴田百恵と宇恵有香もボートを下ろした。二人はそれまで調整所でプロペラと向き合っており、ボートが調整所近くに置かれていたことから、まだ試運転をしようというのだな、と想像はついた。しかし、9Rになっても10Rになってもペラを叩いていたので、さすがにこれから改めてボートを下ろすなんてことがあるのだろうかと訝しんでいたら、二人は別に衒いもなく、それが当たり前であるかのように雨にも負けずに試運転を始めたのである。若手が遅くまで試運転をしているのは、特に女子戦では日常的な光景ではあるが、調整への取り組みも含めて、この天候でよくぞと思わずにはいられなかった次第である。

 ほかにも勝浦真帆や中村かなえなど雨に濡れるのも厭わずに試運転を遅くまでしていた選手はあげたらキリがないほど。もちろん、レース後に試運転をするということは、機力に不安があったり、納得がいかない点があったりするわけである。試運転をせずに仕事を終えるのは決して怠けているわけではなく、足がいいから何もする必要がない、という場合がゴマンとある。舟券的に狙い目になるのはむしろそちらですよね。しかし、何としても成績を上げんともがく選手たちの姿はやはり美しい。そこに感心するのもまた、ボートレースの楽しみのひとつなのだと思っているワタクシであります。

 試運転はしていなかったが、ディフェンディングチャンピオンの長嶋万記は本体整備に没頭した。連覇を誓っての参戦だったが、昨日の後半6着に続いて、今日も6号艇とはいえ5着と見せ場なし。機力に苦しんでいるという印象があって、そこで本体に喝を入れようということだと思われる。明日は一日早い勝負駆けだから、なんとか現状を脱したいところであろう。結局、忙しい選手というのは厳しい選手であるとも言えるわけで、変な話、1便で帰ってしまう選手のほうがエンジン出てたりするということも少なくないんですね。

 と言いつつ、7Rで5コースまくりを決めて2勝、2着1回の小野生奈も、レース後はしっかりと時間を使ってプロペラ調整を続けていたのであった。そのキモは……といえば、はい、私と畠山、それにキャスターの岩崎彩加さんが配信しているYouTube「週刊BOATBoy」でインタビューしましたので、ぜひぜひご覧ください。21時から配信開始です。昨日は神里琴音、一昨日は櫻本あゆみにインタビューしてます。二人とも超キュートだったので、アーカイブもご覧くださいね。BOATRACE公式YouTube、またはBOATCASTで配信中です。よろしくお願いします。と、最後は宣伝でございました。失礼!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)