BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――どんな環境でも変わらない!

 ピットが仮設だろうと何だろうと、選手たちがやることが変わるわけではない。今日も今日とて「遠い……」という呟きが時に聞こえてはくるけれども、移動に時間がかかるストレスは多少はあったとしても、初日はやはりみな調整と試運転に飛び回っている。
 とはいっても、さすがのマスターたちは落ち着いたもので、焦ったような雰囲気の選手は見当たらなかった。ペラを手に悠然と係留所からペラ調整所へと歩いていく服部幸男は貫禄たっぷり! 50代になっても、本当にこの人はカッコいい。

 岩崎芳美がやや小走り気味に調整所へ。焦っているというわけではなさそうだが、少しでも移動時間を短くしたいということか。遠目にこちらの姿を見つけると、「おっはようございまーす」と朗らかな声が届いてきた。マスターズのピットにあっても、岩崎の陽気なふるまいはこちらの気持ちをほぐしてくれる。

 1Rの展示が始まる前にピットに入ったのだが、それでもやはり、序盤のレースが控えている選手はやや慌ただしく準備を進めていた。展示ピットにボートを移した瓜生正義が、いったん控室へ。ひとまず出走準備が整ったということだろう、やれやれとばかりにふーっとひとつ息を吐く。以前のマスターズの出場資格である48歳になった瓜生だが、この人はまだまだ若々しいですね。瓜生のほうから挨拶を投げかけてくれたのだが、選手会の代表にそうされるのも光栄であります。

 整備場ではドリーム組の濱野谷憲吾が本体整備。もっとも大きな整備というわけでもなさそうで、早々にモーターを装着していた。今節、どういった指示が出ているのかは今のところわからないのだが、おおむねモーターを下ろしたばかりというのは部品交換などがかなり制限される。よほどのことがない限り、数節は部品交換も認められない場(ケース)も何度か見かけたものだ。昨日、赤岩善生がモーターを分解していたが、これも部品交換があったかどうかは微妙(直前情報を要チェック)。モーターを組み直すだけでも上向くことがあるというから、赤岩にせよ濱野谷にせよ、点検を含めてそうした可能性もある。

 ドリーム組では、1R展示前から菊地孝平がモーターを装着し、取り付けなども入念に調整していた。そして、そのままリフトへGO! 早くもボートを下ろすようだ。リフトへの長い道のりを粛々とボート移動。その様子を眺めていたのだが……やっぱ遠いね(笑)。まあ、日を経ていけば、この光景にも慣れてくるのだろう。

 さて、オープニングは魚谷智之が差して1着。森高一真がジカまくりを放った展開を見事に突いてのものだった。リフト近辺では、近畿勢だろうと思うのだが、「よーしっ!」と声があがった。初日1Rから熱いぞ! つい2カ月半ほど前、同じ場所でルーキーズ、レディースが戦況を見つめながら声をあげていたのを思い出す。世代がぐーんと上がってベテランばかりの顔ぶれだが、仲間の快走に喝采を送るのは変わらない! 吉永則雄が嬉しそうに笑っているのも目に入ったが、なんだか素敵なシーンなのでありました。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)