BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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リュウタリュウタリュウタ!の2日目後半ピットから

 やはり事故のあとは痛々しさが残る。7Rでは椎名豊が痛恨の勇み足。失意とともにピットに帰還した椎名を出迎える仲間たちの空気は重い。他5艇がゴールすると、一足先にピットに戻っていた椎名はその場に残り、あがってくるのを待って頭を下げて回った。そんな椎名に寄り添ったのは羽野直也で、椎名以上に苦い顔で慰めの言葉をかけるのだった。

 8Rでは1周バックの競り合いにおいて今井美亜が転覆。直線での転覆でかなりヒヤリとさせられるものだったが、今井は無念の途中帰郷となっている。負傷した今井に代わって下出卓矢が転覆整備を主導。選手班長の豊田健士郎も手伝っていた。誰の顔も晴れようはずがない。

 この転覆を招いたとして、山口剛が妨害失格をとられている。山口もまた硬い表情となっており、かなり複雑な思いを抱いているようだった。故意であろうはずはないが、やはり後味の悪さが残るのは当然。ただし山口には明日からも戦いが待っている。難しい顔つきでペラ調整に向かう山口であった。
 やっぱり事故は見ているほうもつらい。明日は無事故を祈ります!

 さて、10Rはリュウタが1~3着を独占! 1着・峰竜太、2着・中田竜太、3着・金児隆太! 金児だけ字が違うけれども、リュウタはリュウタ。ちなみに、現役ボートレーサーでリュウタという名前は3人のみ。そう、その3人が今節は一堂に会し、同じレースを走ってワンツースリーを決めたんです! こりゃすごい。峰はウィナーインタビューでリュウタワンツースリーを告げられ、「え? もう一人、誰?」と金児を忘れていたようだが、あのねえ、長野県では「ボートレーサーのリュウタ」といえば、峰竜太じゃなくて金児隆太ですから!

 もっとも、1号艇で2着に敗れた中田はやはり複雑な表情だ。おそらく竜太ワンツーということはわかっていたようで、レース後に峰に声をかけられると笑みを見せはしたが、しかし必勝態勢の1号艇での敗戦はやはり重い。今日は内枠デーだったにもかかわらず結果を残せなかった中田としては、やはり意気は上がらない。やや落胆した表情で控室への長い通路を歩きだしている。

 金児は1R6着大敗後、「不甲斐ないレースばかりで……」と顔を曇らせていた。このレースは、3着とはいえ、羽野直也や上條暢嵩を競り落としたのだから、お見事! しかし金児は決して満足している様子はなく、少し疲れた表情で二人のリュウタと挨拶を交わしている。うむ、それはそれでヨシ! 明日は1号艇が回ってくる。逃げて望みをつなぐのだ!

 ところで、7Rの菊地孝平はセット交換でレースに臨みましたね。まさかのエース機セット交換が現実になったわけだ。Fがあったレースでの3着、これを整備奏功と言っていいのかどうかは何とも。ただ、その後の菊地の表情に晴れやかさはなく、さらに今後の調整を模索しているようであった。

 どうやら他にもセット交換を行なう選手は出てきそうで、詳しくはまた明日、動向を探ってみたいが、確実にすでにセット交換をしていたのは小林泰。初日9Rにキャリアボデー交換で出走し、今日はギヤケース交換で7Rに登場。そしてレース後にセット交換である。今節はレース以外の時間は整備室で過ごしているという印象で、機力アップにかなり苦労しているのだ。小林は山梨県代表で、我が長野県のお隣さん。甲信越地区のお仲間である。小林のこの苦労が報われんことを、と願う次第であります!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)