BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――誰もが気になる注目モーター

 三島敬一郎がS評価とした26号機は、2連対率36.4%、順位にして23位に過ぎないにもかかわらず、地元記者さん評でもS評価。数字以上の動きであることは、地元でも話題になっていたようだ。もちろんその評判はメディア陣には瞬く間に伝わる。というわけで、これを引いた土屋千明にはひっきりなしに報道陣の声が掛かっているのであった。数字がない分、実際に乗ってみた感触はどうだったのか、誰もが気になるところであるのは当然だろう。土屋のコメントはスポーツ紙等をご覧いただくとして、前検航走後の様子としては、たしかに余裕が感じられるのであった。多くの選手がペラ調整や外回り調整などをしているなかで、土屋は作業らしい作業もせずにモーターを格納しているのだ。今日焦って調整をする必要がないのは間違いない。

 多くの報道陣が声を掛けていたもう一人が清埜翔子。こちらは2連対率41.6%の31号機をゲット。三島4番手評価のモーターである。これは6月のオールレディースで深川麻奈美が乗って優勝しているモーター。同じ女子戦の優勝モーターだから、あれから2カ月が経って、気温もかなり上昇した今、動きは変わらず良いのかどうか。これまた気になるところだ。これまたコメントはスポーツ紙等で。清埜もまた急いで調整に向かうような様子はなし。ようするに、メディアが立て続けに声を掛けられるのは、忙しそうには見えない(すぐに調整を始める様子がない)からだ。

 たとえば、前検航走を終えてすぐに本体整備を始めた中谷朋子。早くも本体を割ったということは、感触が一息だったという証しである。ちなみに、福岡ではセット交換をしていないそうです。そばで見守る整備士さんがピストンリングを手にしていたので、交換があるかもしれません。それはともかく、中谷も整備のかたわらエンジン吊りには参加するわけだが、終わると速攻で整備室へと駆け込むので、声を掛けるスキがない。また、そうした様子の選手には、やはり声は掛けられないものだ。中谷は明日3Rに登場。それほど時間がないなかで、今日のうちにできることはやっておきたいところだろう。メディアがそれを邪魔するわけにはいかない。

 実にお久しぶりの淺田千亜希。調べてみたら、20年2月に津のレディースvsルーキーズでお会いして以来(同年5月の丸亀同大会にも出場していたが、コロナ禍によりピット取材ができなかった)。女子戦では、17年クイーンズクライマックスシリーズ以来。GⅠでは同年のレディースチャンピオン以来である。最近ファンになった方はもしかしたらご存じないかもしれないが、かつてはSGに出場したこともある女子きっての実力者。B2級という表記をそのまま受け取ってはならないのである。その淺田は、ギヤケース調整に取り掛かっていた。その後はさらにペラ調整。これまた非常に忙しそうで、お久しぶりですの挨拶をするのもままならないわけである。前検だから慌ただしい空気となるのは当然だが、今日はおおむね中谷や淺田のように前検航走後にも忙しそうに調整に向かう選手が多かったように思う。

 そうした様子を気遣ったというわけでもないんだろうけど、海野ゆかりが明日の艇旗艇番準備を自身で行なっていた。支部の最若手選手が先輩の分まで、というのが日常的に見られるシーンで、広島支部であれば實森美祐が海野の分を準備するところだろうが、海野は涼しい顔して自分でやっているのだった。

 感心してみてたら、山川美由紀まで! 女子では一大勢力の香川支部、後輩ももちろんいるわけだけど、自分の分は自分でやるのが当然といった風情で準備していて、その威風堂々とした様子にただただ頭が下がるのでありました。やっぱり偉人です!

 ところで、ピットの真裏に新しい選手宿舎が建ってました。昨年のメモリアルで来たときには建築中だったのだが、1年経って完全に稼働している模様。コロナ禍以降、ピットと同じ敷地内に隣接している宿舎がある場では、競技委員長の許しがあれば、個々に帰宿が可能な場合もある。もちろん1便2便といった便制にはなっていて、ただ整列してから並んで移動というのではなく、1便出発となったら他選手を待つことなく宿舎に帰れるという次第。今日は日高逸子がイの一番で帰宿。最年長ですから、先に帰ると後輩も帰りやすいとかあるのかな。見ていたら、ピットの出入口からは20~30歩で宿舎玄関に到着。全国のなかでもかなり近いほうですね。日高さん、暑いなかお疲れ様でした!

 最後に。ドリーム会見に参加しましたが、渡邉優美のテンションが非常に高かったのが印象的でした。やはり福岡レディースチャンピオン、かなり気持ちが入っているのだろうな、と見えた次第。足的なコメントは決して強気なものではなく、またプロペラも前節で新ペラになっているのだが、ほとんど調整されていないとか。それについて「伸びしろ」と表現したのだから、実にポジティブである。本気で獲りに来た、そうも見えるわけだが、実績のないモーターを徹底的なプロペラ調整(夜中じゅう叩きたい、とも。もちろんダメです・笑)でどこまで仕上がられるのか、注目したい。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)