（モーター抽選前のつぶやき）
去年の暮れから７カ月ほど稼働している桐生モーターは、「２連率の数字がかなり信頼できる」と考えている。中でも54号機、30号機、61号機の銘柄級はどれも実戦足が強力で、そのままＶ候補に指定していいだろう。
で、そうと知りつつ、私はＢＢ誌でやや穴っぽい18号機（41％＝現在11位）に◎を打っておいた。誰もが知ってる銘柄モーターより、穴舟券に直結しそうな“隠れ超抜”を重視する。そんなヨコシマな企図が含まれているのだが、果たしてエース級の面々とどこまで張り合えるか……▲19号機（同13位）や「穴」33号機（同24位）とともに、今日のモーター抽選から大いに注目していきたい。
桐生の独断注目モーター
★★★18号機（41%）
★★30号機（44%）
★★54号機（48%）
★★61号機（45%）
★19号機（39%）
★33号機（34%）
（いざ、抽選会場へ！）
午後４時すぎ、競技棟のミーティングルームに行ってみたらば、地元の記者さんや一部の選手の間では、ふたつのモーターの下馬評がやたらと高かった。ひとつは銘柄の61号機。最近、乗り手に恵まれずに２連率４位まで下がったものの、長きに渡って桐生の絶対エースに君臨し続けた61。これは当然の評価だろう。
もうひとつは、赤丸急上昇中の62号機だ。元より強めだった直線足が夏場にきてさらにアップ。行き足～伸びが欲しい女子レーサーにとって、垂涎の伸び型モーターではある。５月にエース61号機でデビュー初優勝を果たした土屋千明（今節の選手班長）が、抽選前に「61か62を引きたい」と漏らしたらしく、それがまた他の選手間にも伝播したに違いない。
さてさて、いざ抽選が始まってみたらば、多くの選手たちはガラポンには無関心という風情で談笑を交わしている。そんな中、ひとりで場を盛り上げていたのが角ひとみだった。
岩崎芳美が「49」（30%の凡機です、はい）を引くと「オーーッ！ 出たっ、凄いっ!!」。
中里優子が「58」（これは39%）を引いても「オーーーッ!!」。
つまりは数字とは無関係に、仲良しの後輩たちに茶々を入れ続けている。それに同調して、徐々に角の周辺の選手たちも「オーーッ！」と合いの手を入れ始めた。中里は角先輩らを睨みつけて「みんな、ワルいっ!!」と笑いながら苦言を呈していた。
そんなこんなで、ワルの張本人の出番（39番目）がやってきた。ガラポンから落ちた玉を摘んだ土屋の声が跳ね上がる。
「ろくじゅういちっ!!」
ウオォォォォーー!! 今度は角本人ではなく、他の選手たちが一斉に歓声をあげたのだった。少し遅れて、角も「オーーーッ!!」とガッツポーズ。「狼が来たぞーー」と叫ぶ嘘つき少年の童話を思い出したが、なぜか今日の“狼少年”はみんなから祝福されたのだった。はい、とにもかくにも今日の抽選会は角ひとみの独演会でありました！
で、人気ナンバー２の62号機を引き当てたのは、最後から３番目にガラポンを回した池田明美だった。選手の顔に疎い私は、それが明美か浩美か区別が付かなかったのだが、隣の中尾カメラマンが「今節は明美ちゃんだけソバージュにしてるから、一目で区別が付くよ」と小声で教えてくれた。パワー相場的には、“ソバージュ明美”に要注意、とお伝えしておこう。
ちなみに、ＢＢ誌での私の◎18号機を引き当てたのは、実力者の香川素子！ もちろん、節間を通じて素子さまの気配に注目しますよーー！
注目機＆レーサー
★★★18号機（41%）…香川素子
★★30号機（44%）…谷川里江
★★54号機（48%）…田口節子
★★61号機（45%）…角ひとみ
★19号機（39%）…落合直子
★33号機（34%）…水口由紀
↑↑62号機（43%）…池田明美
（text/畠山、photos/シギー中尾）
