BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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平和島クラシック『前検を斬る!!』

 平和島クラシックの前検が終わりました。まず、昨日までに私が思い描いていた当地モーター相場のイメージをお伝えしておきます。マラソンに例えるとわかりやすいかも。

「スローペースの先頭集団(上位級)が7、8人ほどいて、そこから100mほど離れた第2集団(中堅)がゴチャゴチャの団子状態。その後方にポツポツと脱落選手(下位)が点在する」

 こんな感じだったのですが、今日の前検はほぼそのイメージに近いものでした。ただ、先頭集団の中から、3人ほどがさらに10mほど抜け出していた感があります。その3機を中心に、独断のモーター番付を記しておきましょう。

 

S級(抜群候補)

 

★★池田浩二=41号機

 

 

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 エース28号機の坪井康晴と同班で、この2選手だけが他を圧していた。スタート練習の3本目に至っては双方が激しく意識しあっていたはずで、5カド池田VS6コース坪井の直線勝負。スロー4艇が無難なスタートを切る中、2艇は1艇身以上の非常識なFをやらかしつつ、1マーク手前までビッシリ競り合っていた。さらに、バック直線でも熾烈な伸び比べを見せていたが、私の目には少しだけ池田の方が強めに見えた。41号機はやや意外ではあるが、現時点での節イチ候補に推しておきたい。

 

★★坪井康晴=28号機

 

 

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 常に55号機などにエースの座を奪われ続け、ここ数節でついに2連率トップに君臨した28号機。その安定感抜群の気配は、もちろん今日も健在だ。ストレートではやや池田に分が悪いように見えたが、このエンジンはすべての足が強めのバランス型。どんなコースからでも着をまとめる粘り足が身上で、差し屋の坪井にとって最強のパートナーだと思う。余程のアクシデントがない限り、準優入りは約束されているとお伝えしておく。

 

★★守田俊介=55号機

 

 

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 つい先月あたりまでエースの座を守り続けてきた55号機。去年の夏秋は断トツの行き足~伸びを誇り、破壊力では他の追随を許さなかった。それが、冬場になってからその破壊力が衰退し、小さくまとまってきたイメージ=レベルダウンを感じていた。「28号機にトップを明け渡したのもやむなし」と見ていたわけだが、今日の俊キチの動きは……抜群だったぞ。特に行き足~伸びが強烈で、あの晩夏の絶頂期を彷彿させるスピード。黒須田が「最近、55号機がちょっと復活してきたらしい」とつぶやいていたが、俊キチ応援団の私としては嬉しい誤算だな。ドリーム6号艇でも要注意!

 

A級(上位候補)

 

★川野芽唯=43号機

 

 

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 まずは、私の期待どおりに動いてくれたパワーから。最終9班でスリットからグイッと力強くのびた芽唯ちゃん。軽量も手伝って、同班の茅原悠紀や後藤翔之を圧倒していた。去年の暮れに意外性&勝負強さを魅せつけた芽唯ちゃんだけに、明日の1Rから目が離せない存在だとお伝えしておく。

 

★遠藤エミ=23号機

 

 

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 これも期待を裏切らない動き。芽唯ちゃんと同班で、ストレートでは男子3人を蹴散らすほどのスピード感だ。ただ、足合わせで芽唯ちゃんと旋回したとき、回り足でやや見劣っていた。そのあたりが苦しいと、ぶん回って攻めるだけの戦法になってしまうかも。明日の実戦ではソッチの足を吟味したい。

 

★毒島 誠=60号機

 

 

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 いぶし銀の中堅上位機として渋い活躍を魅せてきた60号機だが、今節も通好みの仕上がりと見た。直線よりもサイドの掛かりが命。足合わせで内から小さく回って、しっかり艇を併せて舳先を揃える。このサイドの掛かり&乗りやすさはニュージェネ・ターンの最重要ファクターでもあり、今節の毒島はいつも以上に怖い存在だと思う。

 

★今村 豊=14号機

 

 

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 今回、ピックアップした中で、唯一20%台の低調機がこれ。そんな数字とは思えないほどの行き足~伸びで、同姓・同班の暢孝を何度も千切り捨てていた。回り足は現状わからないが、スリット全速を主武器とするミスターにとって心強いスピードではある。20%台だけに、舟券的にもサプライズ候補か。

 

★湯川 浩司=17号機

 

 

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 さてもさても、いちばん注目したのがコレ。BB誌で◎を打った17号機だけに、それに相応しい気配を魅せてほしかった。が、直後の感想としてはちょっと首をひねる感じ。全体的に「わるない、わるない」という印象で、上昇機の勢いや凄みみたいなものが伝わってこなかった。まあ、このエンジンは冬場になってから「実戦で妙な勝負強さを発揮する」というイメージもあり、明日の本番に大いに注目したい。現状はAまで。

 

 他では今垣光太郎の出足、濱野谷憲吾・萩原秀人・峰竜太・吉川元浩の行き足が上位の次くらいに見えました。ではでは、前検タイム。

 

前検TOP10

①坂口 周 6.53

 中島孝平

③深川真二 6.54

 坪井康晴

 中野次郎

 峰 竜太

 遠藤エミ

⑧池田浩二 6.56

田村隆信

 篠崎元志

 川野芽唯

 

 

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 トップ2はじめ、やや意外な面々もおりますが、コンマ04秒の中に11人がランクイン。やはり、パワー面ではかなりの混戦ムードだと思いますよ。ちなみに俊介も6.58で上々の滑り出しといえるでしょう。

 

ワースト5

①谷村一哉 6.77

②長田頼宗 6.69

③石田政吾 6.68

④今垣光太郎 6.67

 前本泰和

 角谷健吾

 柳沢 一

 山田雄太

 

 た、谷村だけが抜けたどん尻……エンジンの素性もワースト級の1機であり、これはかなり心配な数字です。明日の実戦でチェックしておきましょう。(photos/シギー中尾、text/畠山)