本日最初に勝負駆けを成功させたのは6Rの原田才一郎。
エースモーター23号機を引いたものの、初日の前半レースはスリットで後手を踏んで5着、2日目12Rはバックで意外に伸びず4着など、エースモーターの評価に「?」マークが浮かぶようなシーンもあった。
しかし今日の6Rは、展示タイム、狭いスペースを割り差す操作性、バック並走から2マークを先取りするレースぶり、「児島のエース機が帰ってきた」と宣言してもいい内容だったのではないだろうか。
3日目終了時点では女子男子ともに7点近い予選突破ボーダーになりそうだったが、それをさらに引き上げた選手が川野芽唯だ。
川野は昨日の終了時点で予選得点率7.00で6位タイ。本日は前半6号艇と後半3号艇の2回走りなので、枠番的にいえば得点を落とす危険性がかなりあった。
しかし前半2R。6コースの川野が根っ子差しを入れると、ターン後3番手から伸びて、2マーク手前では並走状態に持ち込み先マイ。今節初の6号艇1着を成し遂げた。
続く7Rは3コーススリット同体からまくり差しを放って2着。勝負駆け日に不利な枠順で18点を上積みし、得点率7.66で予選突破を決めた。
勝率をみても、機歴をみても、ズバ抜けた何かがあるモーターではないのだが、出足が良くレースをしやすそうな雰囲気がある。
この7Rで3着になった前原大道も、ここで予選突破を決めた。節間1着ゼロ。俗にいう「タンヤオ」での準優出である。
1着はなくとも内容は優秀で、3Rは節イチモーターの新開航を道中で抜いての逆転2着。7Rは6コースから狭い最内を抜けての3着。31号機の前節のセッティングを踏襲して、チルトを+0.5のままにしてレースを続けたのが吉と出たようだ。
噂によると、明日は「3カド宣言」を出しているらしい。伸びる31号機で、3カドからスタートを決れば、いったいどこまで伸びるのだろうか。
9R1号艇で勝負駆けに挑んだのが寺田千恵。大敗だけは禁物という比較的楽な勝負駆けだったのだが、4カドの三村岳人が渾身のコンマ06スタートを決め、しかもカド受けがヘコんでいるという、冷や汗が出るようなスリットになった。しかし百戦錬磨の女王は冷静で、三村を上手に牽制しながら、しっかりと艇を返して逃げ切り。貫録勝ちである。
10Rの勝負駆けは2号艇の吉川貴仁。トップスタートから艇を伸ばしていき、いつでもまくれそうな態勢をキープしながら、最後は差して突き抜けた。今日はまくらなかったが、やはり吉川60号機の伸びも健在だ。
寺田に引き続き、11Rも岡山の田口節子が1号艇。こちらはコンマ06のスタートを切って、スリットは横一線、準優出へ一縷の望みにかける喜井つかさがまくりを放つが、難なく受け止めて逃げ切り勝ち。得点率9.33で予選トップに立った。
11Rはバック3番手を走っていた中村日向は、1周2マークで逆転して2着に浮上し、ギリギリ準優勝線に滑り込んだ。ゴンロク発進でどうなることかと思ったが、A1のメンツを保って見せた。
この11Rからは、3着日高逸子、6着牧山敦也も準優勝戦に駒を進めている。
12R。ここでシリーズリーダーの新開航が4号艇で登場する。無事故完走で準優1号艇が確定する状況だったのだが、なぜか新開はチルトを+0.5に跳ねてきた。
その理由を勝手に推察すると、それはおそらく田口の得点率にある。
田口が11Rを勝つと田口の得点率は9.33になる(実際に1着で得点率は9.33になった)。一方、新開の得点率は現状9.20だ。この得点のまま、明日の準優で田口と新開の両者が1着になると、優勝戦の枠番は「①田口、②新開」になってしまう。自力で優勝戦の1枠を狙うためには、田口の得点率に並ばなければならない(同得点率なら1着回数の多い新開が上位になる)9.33に並ぶために必要なのは10点。つまり先の先を見据えた1着勝負駆けに出たのである。
チルトを跳ねた41号機は凄まじい。内枠3艇、山川美由紀、金田幸子、勝浦真帆は、いずれも上位クラスのエンジンなのだが、カド受けでやや後手を踏んだ勝浦を絞ると、まくりを警戒して握った山川と、抵抗せずに小回りを選択した金田の間を突き抜けた。女子3人のエンジンも良いのでバックでは追いすがるのだが、追い付く気配はまったくなく、1周2マークで完全に決着がついた。
先の先を見据えた勝負駆けを成功させて、新開は明日の11レース1号艇で登場。12Rからは、2着金田、3着山川も準優出している。
勝負駆け日が終わって、女子のボーダーは7.33、男子は6.83。ボーダーが下がると思っていたのだが、なんと3日目より上がっていた。この数字が、いかに熾烈な勝負駆けだったかを証明しているのではないだろうか。
本日の紅白結果
紅組4勝 - 白組4勝
通算
紅組16勝 - 白組16勝
3日連続同点の紅白バトルも熾烈だ!
(PHOTO/池上 TEXT/姫園)