BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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津レディチャンTOPICS 2日目

問答無用の差し水面

 今日の津水面でいちばんモノを云ったのは、選手でも機力でもなく【風】だった。風向・風速は昨日の大半のレースと同じ【追い風4m】。ただ、同じような数字でも、不思議なもので昨日より今日の水面の方がざわざわ波立っていた。
 私が勝手に思うに、同じ風速でも、水面に届く「入射角」みたいなものが違うのではないか。たとえば、昨日は水面に対して平行だから波立たず、今日は上から下へ20度くらいの入射角があるから波打った、みたいな。

 真偽のほどはともかく、今日のスリット~1マークは昨日よりはるかに「まくり受難水面」=「差し水面」だった。典型的な実戦例を並べてみよう。
★3R=インから先制した①中里優子&3コースからまくった③廣中智紗衣が真横に流れ、落として小さく回った2コース②松尾夏海がズッポリの差し抜け。【②-①-③】決着。
★4R=③櫻本あゆみが3コースから豪快にまくりきり! と思いきや、向こう岸近くまでぶん流れ。インの①松本晶恵も引き波に喘いでいる間に、2コースからダークホース②向井美鈴がスコーーン差し抜けた。二番差しの④渡邉優美も松本に競り勝って【②-④-①】決着。

★6R=最アウトから⑥細川裕子が果敢な大まくり。決まりそうな勢いだったが、追い風に飛ばされて舟が返らず。細川を警戒してインから強めに握った①深川麻奈美もまったりと流れ、②清埜翔子が2コースから嬉しい水神祭差しを炸裂させた。【②-①-⑥】決着。

★8R=地元の②高田ひかるが2コースから得意の伸びなりジカまくり。F2持ち①永井聖美の舳先ひとつの抵抗もあって、2艇揃って真横にぶん流れ。その間に4コースから的確にまくり差した④三浦永理がバック先頭に躍り出た。ただ、2マークで地元の気合パンパン高田が強烈なツケマイ攻勢で大逆転。他の2コース勝ちとはまったく別物の「抜き」で待望の1着をもぎ取った。今日の風が真逆だったら、もっと簡単な1マークまくり決着だっただろう。3連単【②-④-①】。
  今日の津水面をまとめると、「1マークで握った選手はほとんど吹っ飛び、2・4コースから差しに構えた選手ばかりが得をした」ってな感じか。元より「差し水面」と呼ばれる津だけに、入射角のある追い風(←勝手な妄想?)が相加相乗効果を生み出したのだろう。

 ↑と、ここまで書いた直後の11R、極めつけの事例が出現した。なんとなんと、昨日の10Rでフライング(今期2本目)に散った②西橋奈未が、2コースからズボ差しで突き抜け!! 昨日の当欄で「足はいいので要警戒」みたいなことを書いたが、昨日から⑤桃佳◎を決め込んでいた私は手も足も出ず……奈未ちゃん、外枠のときにやって欲しかったどーーー!(涙) 【②-①-④】決着。

 そんな中、4カドから猛烈なまくり一撃を決めたのが7Rの寺田千恵だ。嗚呼、テラッチと言えば、前検ドリーム班の特訓からケタチのスリット足を披露(チルト3度ではあった)。私は目をハート型にしてSランクに指名したものだが、いざドリーム戦はまったく平凡なスリット足で5着大敗。
 今日の前半2Rも見せ場すら作れず5着に敗れたが、何をどう調整したのか7Rはスタート展示から気配一変! つーか、スリット近辺の見え方は前検に見たそれと瓜二つ~いざ本番も超ゴキゲンな行き足でひとまくり!! 多分にスタート勝ちではあったが、スリットから出て行く伸び足も絶品の一語だった。

 今日の差し水面であれだけ鮮やかにまくりきったのだから、このレースのテラッチ61号機がどんだけ噴いていたか……でもって、どうして2時間半という短時間でこれほど一変したのか。ウイナーズインタビューを聴いて、なるほどと納得した次第だ。
――いろんな方にいろんなアドバイスをいただいて、「逆の方向に行ってるのではないか」と教えてもらってそっちに調整してみたら、展示から伸びて行く感じがありました。たまたまかも知れないけど、このレースがいちばん良かったです。
 逆の方向。つまりはドリームから2走ほど遠回りした、という見方もできるが、今日のあの気配を維持できれば巻き返しは必至だろう。明日のテラッチは【2R5号艇・11R1号艇】。自称・穴党としては前半2Rの特訓・展示をチェックしつつ、適材適所に舟券に絡めてみたい。あ、もちろん、明日の風とも相談しつつ。
 ちなみに、明日の津の風速予報は「12時6m~18時5m」! 風向きも似たり寄ったりで、またしても【②-①】が幅を利かすのかも??(photos/シギー中尾、text/畠山)