BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

福岡メモリアルTOPICS 2日目

 全選手の独断パワー評価は明日に譲るとして、今日は全24レースを観て「明らかに上位レベルと確信できる人機」と「2日目に急上昇した(と鑑定した)人機」を何組か、時系列に紹介しておきたい。

☆高田ひかる【出C・直S↑】=直線大幅アップ!

 眠れる夜叉が、じわり牙を剥きはじめた。1R1号艇のひかるは先マイできたものの、2コース長田頼宗にズッポリと内サイドをえぐられた。その舳先はMAXで半分まで潜入していたが、そこからの高田の伸び返しの凄まじいこと! 完全に突き刺さったはずの舳先がどんどん後退し、2マークのはるか手前でこそげ落ちてしまった。
「それって、いつものひかるZONEじゃん」と思われるだろうが、前検~初日はそのあたりの足すらおぼつかなかったのだ。回って簡単に差されたから出足系統はチョボチョボとして、2日目にして彼女の生命線と呼ぶべき行き足~伸びが仕上がったのはでかい。
「ボートレース津は、井口さんだけじゃないぞー!」(by選手紹介)を証明するに足る武器を身につけたのだから。明日の【3R2号艇・8R6号艇】がすこぶる楽しみになった。

☆重成一人【出S・直A】=死角のない鬼足

「福岡の6コース」は大方のイメージより苦戦しがちで、アウトから何もできずに大敗するケースが多い。都市型のレース場でホーム水面の幅員が狭いように見えて、実は全国平均より広いのだ。昨日の6コースも、9Rの大峯豊が道中の混戦を捌いてやっとこさっとこ3着に食い込むのが精いっぱいだった。
 そんなアウト受難の水面で、3Rの⑥重成はターンマークのキワ差しから最内をすいすい伸びて、あっという間に2着争いに持ち込んだ。やや態勢にアドバンテージがあった羽野直也には競り負けたが、足色的には優勢だったはず。昨日は4カドまくり1着の“アルバトロス”でスリーアンダー。今日も6号艇3着でトータル6アンダー! さらに明日の【3R5号艇】でもアルバトロス(2着)をやらかすようなら、4日目の1・2号艇を残して「隠れV候補ナンバーワン」に跳ね上がるだろう。足的にもトータル9アンダーが可能な鬼足だと思っている。

☆宮地元輝【出A↑・直A↑】=“地元”の意地でパワーアップ!

 5Rで4カドから③菊地孝平のツケマイに連動。1マークをシャープに差して、イン山口剛のバースデーウインを自力で阻止した。決め手になったバック直線の足色は、昨日までとはまっくの別物。本人もインタビューで「菊地さんと一緒くらいで、他よりは上」「昨日が下位だとするなら、今日は間違いなく中堅上位、低く見積もってもそれくらいはあります」と胸を張った。昨日はリングのオーダーを並べ替えたり、今日はキャリアボデーを換えたり、30%の相棒に活を入れ続ける宮地。さらには……
「減量もしてます!」※デビュー戦は59kgだったとか。
「ここも地元です!」※去年9月の某記事情報によると福岡市内在住だとか。
 とにかく見ていて気持ちがいいほど気合パンパンの暴れん坊が、どこまで「勝ちに来ました!」という前宣言を実行できるか。231着ときて、明日の【10R6号艇】が最大の試金石。1マークまで遠い遠い福岡の6コースで甘んじるのか。“地元”の意地で進入からかき回すのか。ピットアウトから目を皿にして見つめるとしよう。

☆桑原 悠【出A・行A+】=61号機、覚醒せよ!

 まだエース61号機のパワーをフル稼働していない見え方ではあるが、今日の9Rで2コースから加速した行き足はかなりのもの。おそらくイン西山貴浩の殺気オーラを察知して差し回った気がするが、ジカまくりが決まって不思議のないスピード較差を感じた。おそらく、本人にとっては昨日も今日も消化不良だったはず。「このストレートを生かし切りたい」と思ったはず。でもって、明日の桑ユーの枠番は【1R3号艇&7R4号艇】!! この番組、観たくないファンがいたら手ぇ上げてーーー!

☆寺田 祥【出A・直A+】=隠れエースの逆襲

 昨日はインで勝ちきれず、今日は6コースから展開を突けずに6着大敗……良いとこなしのようだが、実戦ではオッと唸らせるシーンが多々あり。今日も大外からスリットで力強く飛び出し、自力のまくり差しで先団に取りつこうとした。今節、6コースから5コースを叩いた選手はほとんどおらず、やはり非凡なストレート足を感じた次第だ。ただ、そのパワーを生かし切れなければ画描の餅。明日こそ【5R2号艇・12R5号艇】で75号機をフル稼働させてもらいたい。

☆茅原悠紀【出S・直A】=ミラクルの予感

 11Rの1周2マークの激痛の不良航法(追い抜き不良)。起こったことは仕方なし、しっかり反省してもらうとして、道中の足色はもはや鬼レベル! 昨日よりかなり良化したはずの遠藤エミを追っかけ回し、3周1マークの悶絶ターンで一瞬にして追い抜いた。私の脳裏に「優勝はこの男!」というインスピレーションが浮かぶほどの逆転劇。その時点で減点はほぼ分かっていたので「この足で、惜しいなぁ」という気持ちのほうが強かったが、いやいや待てよ。3走を終えた茅原の得点は10点で、残り3走。今日の鬼足&選手の力量&最近の絶好調ぶりを合算すれば、明日からピンピンピンで40点=準優の3枠あたりまでは可能だと思うぞ。まずは明日の【4R5号艇・11R2号艇】でどこまでリカバーできるか。この男の底力を見せてもらうとしよう。(photos/シギー中尾、text/畠山)