BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

下関ヤンダビTOPICS 初日

F2持ち5戦士に御用心!

 ヤングダービーの特徴として、「F2持ち選手が多い」が頭に浮かぶ。若気の至りと言うべきか、はやる気持ちを抑えきれずにドカドカはみ出し、絶体絶命の崖っぷち状況で大舞台に駆けつける選手の多いこと多いこと! 今節も5人の血の気の多い若武者が、傷だらけのハート&事故点を抱えて下関にやって来た。

 ただ、それらの崖っぷちハミダシ選手がじっと最後方でプール掃除してるかと言えば、そうでもないのだな。強烈なインパクトを残したのが、2019三国大会の吉田裕平だ。7月に立て続けにハミ出し2発をやらかしたのに、攻める攻める攻める! 予選のタイミングと着順はこうだ。
【12②・06①・07③・15①・07①・09③】
 なんと6戦中ゼロ台が4発!!!! 着順もオール3連対で突っ走り、あれよあれよで予選トップの座を勝ち取った。準優はコンマ17から惜しくも3着に敗れたが、「吉田裕平恐るべし、F2戦士を侮るなかれ」というふたつの教訓をファンの脳みそに植え付けたのだった。

 改めて、今節のF2戦士の名前(登場順)と初日の戦績を列挙しておこう。
★前田 滉=2R5号艇.19③着(165/141倍)、7R4号艇.21②着(143/52倍)
★高田ひかる=3R3号艇.16⑤着、9R4号艇.21⑤着
★原田才一郎=5R4号艇.30⑥着
★竹下大樹=6R2号艇.11⑤着
★木谷賢太=7R2号艇.20④着
 今日のところは大半がコンマ20前後でスリットから後手を踏み、重い着順を並べてしまった。舟券に絡んだのは、「前田三兄弟」の末弟・前田滉ひとり。F2のみならず事故点パンパンの身の上、2R・7Rともにコンマ20前後に控えたが、1マーク~道中で凄まじい切れ味のターンを連発。どっちもイン逃げ決着でありながら、141倍&52倍という高配当の立役者となった。誰もが知ってる金言ではあるが「F2が絡めば配当が跳ね上がる」をまざまざと見せつける舟券絡みだった。

 他の選手は成績こそ振るわなかったが、手をこまねいて這い回ったわけではない。とりわけ注意したいのは、6Rで「あわや?」の強攻を魅せた竹下大樹だ。今日の5選手7レースの中でただひとりコンマ10前後まで踏み込み、2コースからのスリット足も強力無比!
 前検でトップ足に指名した①中村泰平をグイグイ煽り立て、パワーまかせのジカまくりで泰平の背筋を凍らせた。泰平47号機のターン回り~出口の押しが平凡だったら、間違いなく一撃で引き波に沈めたはずだ。結局は強攻策をブロックされて大敗したものの、ことスリット後の勢いは私のイチ推しパワーより強烈。明日からも「しょせん2本持ち」などと小馬鹿にしていたら、どこかで手痛いしっぺ返しを喰らうだろう。
 もちろん、F2でSGを戦ってきた高田ひかるの怖さは言うまでもなし。7Rで4着だった木谷賢太も、道中では前田滉とともに「F2コンビの2・3着か!?」と思わせる鋭い実戦足を垣間見せていた。

 ただひとり、4Rの原田才一郎だけがスタートで超ドカ遅れ。まったくレースに参加できない惨敗ではあったが、初戦からキャブレターやキャリアボデーを換えるなど、闘争心に翳りはない。「F2が絡めば即波乱、アタマで来たらば大波乱」を肝に銘じ、明日からも随所に舟券に絡めて行くつもりだ。

 さて、「前検チェック~初日の1、2戦を見ただけで誤差も多いはず」と前フリを入れつつ、私なりに上位候補と鑑定している人機を簡潔に紹介しておこう。

★篠原飛翔57号機=3Rでインから逃げただけだが、「高田ひかるの伸びまくりを迎撃ブロック~加藤翔馬のマーク差しをバック直線で一気に突き放し」という一連の流れ&実戦足は、単なるイン逃げで片づけられないインパクトを感じた。若松の重鎮記者の情報によれば「最近の篠原クンは伸び型にしてチルトも跳ね気味。ハマると伸びますよ」とのこと。外枠では直前情報と展示気配に目を光らせたい。でもって、明日の篠原クンは【3R5号艇】ですか。うむ。

★土屋南56号機=1R1号艇はスタート後手~1マーク握りすぎて差されるという、やや自滅的な展開で3着。道中のターン回りも威張れるものではなかったが、直線の伸び気配は流石の56号機。明日の【5R6号艇・12R女子戦4号艇】こそ楽しみだ。

★井上忠政26号機=下馬評の低い26号機が大暴れ。2Rのイン逃げはともかく、8Rは5コースから豪快な全速まくり差しでバック突き抜け。唯一のピンピン連勝を遂げた。昨日の前検から推奨している私・畠山としては嬉しい連勝だが、「初日の2戦からコロガシたい」と宣言したのにヒモ抜け連続の大失態(号泣)。明日からは人気ですわなぁ。
★野中一平29号機=とりかくスリット近辺の行き足がゴキゲンで、自力で攻めたてられるアタッキングな機力。隙あらば握り倒す乗り手にピッタリの相棒とお伝えしておきます。

★佐々木完太50号機=昨日は前検ワーストタイムに名を連ねたが、今日の気配は正反対。キャブレター交換など調整がガッツリ当たった気がしてならない。地元の利も込み込みでVが狙えるパワーとお伝えしておく。
★入海馨61号機=28%とは思えないほど道中の安定感は抜群。おそらく乗り心地がシンクロしているはずで、明日からも道中での追い抜きが見られそうだ。
★小池修平72号機=全部の足が良さげで、回っているうちに好位に取りつく見え方。自慢のターンスピードが120%活かせる相棒かも?
 とりあえず、この7人を推奨しておきます!(photos/シギー中尾、text/畠山)