BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――超盛り上がる特別選抜B戦

 こんなに盛り上がる特別選抜B戦、あるいは最終日8Rというのはなかなかない。1号艇・菊地孝平が逃げ切って、結果は順当。ただし、これがグランプリ行きを決める大きな価値ある逃げ切り! 最終的には2着以上で18位以内が確定していたようだが、スッキリ逃げての確定させたほうがいいに決まっている。
 菊地がリフトに辿り着く手前、控室のほうから疾風のようにあらわれたのは原田幸哉。係留所まで駆け下りて、菊地に猛拍手! すでに帰郷のために着替えていたのに、わざわざ祝福するためにやって来たのだ。
 ピットに上がればもう、祝福の嵐。原田が今度は菊地と熱いハグをすると、それを見ていた今垣光太郎もおめでとうと声を掛ける。あとは田中信一郎やら白井英治やら桐生順平やら、書いてたらキリがないほど多くの選手が菊地を称えた。女子はあまり状況を把握していなかったか、そんな様子を見て長嶋万記が「菊地さん、当確?」とこちらに尋ねてきている。肯定すると、ぱーっと笑顔。とにかく、みんな菊地のグランプリ行きを喜んでいる!
 そして菊地は、微笑を絶やさずに仲間たちの声に応えていた。今年はここに辿り着くまで苦労しただけに、先の徳山周年Vからこのチャレンジカップの戦いに大きな充実感を覚えたことだろう。


 で、1着を獲っていれば可能性が残されていた前田将太は3着に終わってしまった。無念。ピットに戻った瞬間には少々眉間にシワを寄せてはいたが、なにしろ目の前で菊地に逃げられてしまっては致し方なし。前田も素直に菊地を称える一人になっていたのだった。来年こそは、祝福される側になるのだ、前田将太!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)