BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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トライアル第2戦 ダイジェスト

自力の智加、マークの亜理沙!

11R
①高田ひかる(三重)20
②平山智加 (香川)17
③浜田亜理沙(埼玉)14
④守屋美穂 (岡山)16
⑤大瀧明日香(愛知)11
⑥三浦永理 (静岡)14

 あるいは、今日の平山のパワーが強力過ぎたのか。スリットではイン高田をわずかに煽る程度だったが、そこからの行き足が半端ない。高田をするする出し抜き、平山よりスタートの早かった浜田をも軽々と追い越していく。
 だがしかし、それは2コースにとって危険な突出でもあった。1マークまでに完全に主導権を握り、ジカまくりを打つか、外をブロックして差すか、どっちも有力なアドバンテージ。平山は迷ったかも知れない。どっちが得か、どっちが1着を取りやすいか、一瞬だけ考えたかも知れない。それくらい、行き足に余裕を感じさせた。

 しばらく直進してから、平山は自力で攻める戦法を選んだ。伸びなりのジカまくり。だが、その初動を入れるには、わずかに遅かった気がしてならない。内からじんわり伸び返した高田(このあたりの足を作るのが高田流だ)が、迷わず飛びついた。やや粗いブロックだが、まくられたら一巻の終わり。最善の選択だった思う。
 飛びつかれた平山は、なす術なく真横に流れ去った。昨日は3コースからのツケマイを偶発的にブロックされたが、今日はしっかり同体で弾かれたからダメージが半端ない。とにもかくにも、平山は2日間とも自力攻めが仇となって後手後手の展開を強いられた。

 ボートレースあるある展開でインvs2コースがぶっ飛んでいる間に、まんまと広い水面を突き抜けたのは……3コースの浜田!! つい24時間前に5コースから混戦のど真ん中を切り裂いて2着をもぎ取った美女が、今日も平山の攻めに連動した。しかも、アタマ突き抜けで。

 正直、今日も浜田55号機の正味の足色を測りかねたが、2日連続の強運はもはや「実力のうち」と言いきっていいだろう。浜田が突き抜けた一方で、絶好の差し場があったはずの守屋が1マークの手前でキャビテーション。間違いなく2着はあった展開から5着に敗れた。
 こうしたアクシデントも、最終的に浜田に味方するのかも??
 そんなことを思わせる、1マークのあれやこれやだった。

デッドヒートと悪夢

12R
①川野芽唯(福岡)05
②渡邉優美(福岡)05
③遠藤エミ(滋賀)04
④寺田千恵(岡山)05
⑤長嶋万記(静岡)08
⑥田口節子(岡山)13

 川野74号機がギリギリスレスレで逃げきった。スリットは↑内5艇がゼロ台まで突っ込む電撃戦。これはこれで横一線だからして、内コースに有利な隊列ができあがる。イン川野が1マークを先制し、2コース渡邉が鋭い小回り旋回の差し。

 私が本命に推した遠藤は例によってド迫力のまくり差しハンドルを入れたが、初動の段階で突き刺さる雰囲気がなかった。スリットからの出足・行き足もやや劣勢な見え方で、戦前から不安視されていた出足系統が今日になって露呈したか。それとも今日の調整にズレがあったのか。そのあたりの真相は、レース後に遠藤自身がひしと感じたことだろう。

 1マークに戻ろう。遠藤不発で、バック直線は逃げる川野と差した渡邉の一騎討ち! でもって、ターン出口~スリット~2マーク手前まで、両者の足色は恐ろしいほどに一緒だった。わずかに渡邉の舳先が入ったまま、ほどけないし、貫ききれない。ずーーっと同じ隊列のまま進み、2マークの手前で渡邉が白旗をあげて舳先を引き抜いた。

 と、ここまでは実に迫力満点のデッドヒートだったのだが、その直後に水を差すアクシデントが発生する。舳先を抜いて外に開き、差しハンドルを入れた渡邉に対して、後続の田口が切り返しての猛突進。完全に渡邉を突き飛ばすラフプレーとなって、不良航法-7点をもらってしまった。

 2着が濃厚だった渡邉にとっても痛恨の4着。逆に、ドサクサの混戦を捌いて2着に浮上した寺田、バック最後方から3着まで押し上げた遠藤にとっては、ラッキーな展開だったかも知れない。後味の悪さは否めないけれど。寺田は今日になってセット交換を決断しての参戦だったが、ラッキーな展開も込み込みで昨日よりもパワーアップした見え方ではあった。(photos/シギ―中尾、text/畠山)