スカッと晴れた５日目朝。ピットも実にいい空気になっております。選手たちも、日向に出てくれば実に気持ちよさそう。渡邉優美が長らく報道陣と立ち話をかわしていたが、日の当たる場所は寒さをほとんど感じないから、長時間そこにいてもストレスはなく、むしろスッキリした気分になれるというもの。
渡邉がそうして長い会話に興じていたということは、つまり余裕があるわけである。準優組は総じて同様で、海野ゆかりもまたＪＬＣ解説者の徳増宏美さんと楽しそうに話し込んでいた。元選手の徳増さんとは、女子戦線を長きにわたって支えてきた戦友同士のようなもの。通じ合う部分がたくさんあるんだろうな、と想像する次第。海野の表情も実に穏やかであった。
もう一人の１号艇、遠藤エミはエンジン吊りに出てくるのみで、テキパキと作業をこなすとすぐに控室へと消えていくのだった。準優１号艇になるだけあって、遠藤も海野も渡邉も、仕上がり上々ということだ。もちろん午後になれば、それぞれしっかりと調整して万全を期すことになる。何にせよ、柔らかい表情の選手たちを見るとこちらもほんわかするというものです。
遠藤とともに地元で準優進出を果たした香川素子もまた、余裕のたたずまい。１Ｒを走った薮内瑞希がふたたび水面に降りる準備をしていると、心配そうに寄り添っている姿があった。整備士さんも旧知の存在だから、わざわざ呼びにいく場面も。支部は違えど、大変そうにしている後輩を見過ごすことができないわけだ。うーん、優しい先輩！
同じように、西村美智子が２Ｒを終えた前田紗希に優しく話しかける様子も見えた。前田は今節とにかく苦戦が続き、笑顔も見えはするのだが、レース後の表情には力がなかったりする。西村と前田の関係性についてはよくわかっていないのですが、いずれにしても西村の言葉は前田を癒やしているのは間違いないだろう。だから、このレース後には前田も西村に笑みを返していた。そうして余裕のある準優組は、困っている後輩に気を配ったりしているというわけである。
結局、準優組で水面に降りていくのを見たのは、守屋美穂と竹井奈美だけだった。ともに３Ｒ発売中のこと。守屋は２号艇、竹井は３号艇と予選での成績は悪くなかったのだが、優出のためには何かが足りないということか？ 焦りのようなものは見えなかったけれども、このあとも調整と試運転に時間をたっぷり費やそうという構えであろう。準優でどんな気配を見せるのか、注目したい。
ところで、準優組以外は対照的に忙しかったりするわけである。５日目や最終日のあるあるで、一般戦に出走する選手のレース間隔が短い場合がある。先ほど書いた薮内はまさにその１人で、１Ｒ後は５Ｒに出走。中３レースしかないうえに、３Ｒ発売中には５Ｒ組のスタート特訓があるので、それに参加するには急がねばならない。というわけで、香川が心配するほど１Ｒ後に急いでいたという次第で、そのおかげもあってかスタート特訓にもしっかり参加していました。
１Ｒ後には藤堂里香もピット内を走り回っていて、そう、藤堂も５Ｒ出走なんですね。藤堂もスタート特訓には間に合ってましたよ。ほんと、お疲れ様です！
２Ｒ組では、松本晶恵が６Ｒに出走。松本は２着を走ったのだが、レース中は引き波を超えるときに水をかぶったりするので、勝負服とカポックを脱ぐとＴシャツはけっこう濡れていた。しかし、４Ｒ発売中のスタート特訓に参加するべく、松本はＴシャツを着替えることなくカポックだけ黄色に取り換えて、速攻で水面へ！ いや～、ほんとお疲れ様です！ 今日はいい天気ではあるけど、風邪をひかぬよう、ボートを下ろしたらすぐに着替えてくださいね！（ＰＨＯＴＯ／池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
