BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――王者の整備!

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 整備室を覗き込んで、ちょいと驚いた。松井繁が本体整備をしていたのだ。

 王者の調整といえば、基本はプロペラ。姿を見るのは圧倒的にペラ調整所で、ちなみに屋外に調整所があるピットでは、ペラ室より屋外調整所にいることが多い(平和島、浜名湖、福岡など)。そんな松井が整備室で本体を割っている。ピストンがあらわになっていて、リングをじっと凝視しているから、おそらくはリング交換だろう。これはなんとも珍しい光景だ。

 調べてみた。過去1年、松井がエンジンの部品交換をしたのは3節。たった3節である。前回は3月の平和島総理杯。もう7カ月も部品交換をしていないのだ。そうか、総理杯でもやってましたか。うん、記憶にない。今節は初日にもギアケース交換をしているが、これはいわゆる本体ではなく外回りの部分。ギアケース交換は、住之江などでやっているのは時折見かけたが、こうして整備室にこもる王者というのはあまり見られないものなのだ。そして当然、これは非常事態である。

 ちなみに、部品交換した3節のうち2節では予選突破している。気配を確実に上向かせたということだろう。ただし、リングを換えた昨年11月の常滑では予選落ちだ。

 さあ、この整備が王者の気配をどう変えるか。明日はまずそのあたりをチェックしたいところである。

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 なお、同じころに白石健も本体整備をしていた。シラケンもここまで成績は芳しくないだけに、パワーアップをはかりたいところ。ちなみにシラケンは過去1年で14節、部品交換をしておりました。一般戦だけど、優勝もありましたよ。

 

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 10R、佐賀支部のワンツーが決まった。三井所尊春が逃げ、峰竜太が6コースから差して2番手を追ったのだ。三井所は本日連勝! 内枠をきっちり活かして、予選3位につけている。

 三井所はピットに戻るや、笑顔満開。出迎えた深川真二に向けてガッツポーズも見せつけている。今日はイン逃げがなかなか決まらない展開だっただけに、いい手応えを得たことだろう。

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 一方、峰はピットにあがってすぐには苦笑を浮かべていたが、時間が経ってからは充実した表情で「3枠(6着)と6枠(2着)でしっかり相殺できました!」と声をかけてきている。峰のほうから話しかけてくるときというのは、好感触を実感したときが圧倒的に多いので、上昇気配であることは間違いない。賞金王勝負駆けの今節、最低でも予選を突破しておかなければ、首筋の寒い11月を送らねばならなくなる。「これで勝負できますよね!」と力強く言い切った峰の、明日からの気迫に期待しよう。

 

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 さて、赤岩善生と吉村正明の絡みを見かけた。愛知と山口、82期と88期、接点があるようにはあまり見えない二人だが……コワモテ?……まあ、それもそうですけどね。二人の共通点といえば、「空手家」であります。赤岩は今でも道場に通っているというし、吉村は全国大会での実績もある。ある意味、「今節最強コンビ」なのだ。ここに世界チャンピオンにまで上り詰めた藤原菜希が加われば、艇界空手王&空手女王トリオ。みなさん、ケンカ売っちゃいけませんよ。以前、赤岩がふざけて僕の腹に正拳突きを入れてきたことがあったが(某節の前検後。「今日このあと飲みに行くんでしょ~。いいな~、いいな~」と言いながら僕の出っ腹を突いてきた。お茶目でした)、撫でるような突きだったのに、けっこう威力ありましたからね。って、誰も売りませんね、はい。

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 2日目を終えて、赤岩も吉村も苦戦気味。赤岩は初日の6着2本が痛いし、吉村は今日の選手責任のエンストが痛すぎる。苦境は強烈な正拳突きでぶち破れ! 悪い流れは上段蹴りでぶっ飛ばせ! 明日は見事な一本勝ちを期待してますぞ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=整備 TEXT/黒須田)