BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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福岡クラシックTOPICS 初日

イン12連勝の危機!?

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「福岡はインが弱い」としたのは、遠い昔の話なのか。オープニングレースで平高奈菜が逃げきるや、稲田が逃げる秋山が逃げる大志郎が逃げる長田が逃げる興津(40歳のバースデー!)が逃げる吉村が逃げる幸哉が逃げるで破竹のイン8連勝。しかも、そのうちの半分が1-2-3決着だからして、万舟ばかり狙っている穴党の出番があるはずもなし。

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「おいおい、福岡でイン12連勝とか、一般戦でも見たことないぞ~。でも、残り4レースなら、十分にありえるなぁ」
 などと記者席が賑やかになった9R、3コースの白井英治がスリット同体の見えないところからインの馬場貴也に襲い掛かり、インコースの快進撃を8でストップ。そこからインが2連勝した後、12Rドリーム戦ではまたまた血気盛んな長州侍・寺田祥がインコース峰を引き波にハメた。白井&寺田の長州コンビがいなかったら、本当に1号艇=インが12連勝したかも?? イン天国の大村や芦屋ならともかく、福岡の水面ではそんな1日に出くわしたくない、と思うのは私だけだろうか……。

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 それはともかく、イン10勝の要因は何か。私なりの勝手な推論としては、今日は終日ホーム追い風が吹きまくり、カドをはじめとするダッシュ勢の攻撃にも迫力がなかった。さらに1Rの直前が干潮で、そこから最終レースまでずんずんちゃぷちゃぷ潮が満ちてきたのもイン選手に味方した。明日以降、ホーム向かい風になったり、潮が引いていく水面になったりしたら(シリーズ後半だ)、福岡らしいダイナミックなダッシュまくりも炸裂すると信じたい。
 で、そんな“有事”に備えて、ストレート足が強力に見えた人機をピックアップしておこう。まず、スロー起こしからスリット近辺の行き足がゴキゲンだったのが1Rの村田修次65号機と、2Rの大峯豊28号機だった。そう、残念ながら、いきなりシリーズ初戦で大きな減点を喰らったふたりだ。村田は1周2マークで前を行く大上卓人に突っ込む形で不良航法。逆転の3着で舟券に絡んだものの、マイナス10点の厳罰を余儀なくされた。ただ、モーター本体に影響がなさそうなのは不幸中の幸いか。

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  一方、いろんな意味で壊滅的なダメージを受けたのが大峯28号機だ。2Rは枠なり2コースから惚れ惚れするスリット足を見せたが、差しが届かずバック混戦に。1周2マークは前方で壁になった興津藍を交わそうとした瞬間、妙な接触となって興津が横転。大峯はモロにその上に乗り上げてから、もんどりうって転覆した。身体が無事だったのは何よりの幸運だが、選手責任の失格(-5点)と不良航法(-10点)で絶望的な減点15点を喰らい、さらには28号機のパワーにも暗雲が漂う“三重苦”のアクシデントとなった。

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 ちなみに、大峯と接触して横転した興津は、大峯が乗り上げた後にさらに180度回転して奇跡的に戦列復帰! エンジンを再始動して規定時間内にゴールしたのみならず、2時間後の6レースではインからキッチリ逃げきって貴重な10ポイントを上積みした。七転び八起きではないが、興津にとっては忘れることのない不惑の誕生日になったことだろう。拍手、拍手!
 ってなわけで、初戦から大いに躓いた村田(後半10Rもスタート遅れで大敗)&大峯だが、これで人気が暴落するようなら舟券の妙味は何倍にも膨れ上がる。足落ちの不安はなさそうな村田65号機はもちろん、大峯28号機も転覆整備の足色を測りながら隙あらば狙い撃ってみたい(と、ここまで書いた直後に「大峯プロペラ交換」の情報をキャッチ。やっぱり、ダメなのか??)。

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 この他、ストレート足が強力に見えた面々を列挙しておこう。
★寺田祥51号機=ドリーム戦の2コースでスリットほぼ同体から突出! 1マークの手前までに1艇身出切って、イン峰竜太をナチュラルにまくりきった行き足はおそらく節イチレベル(峰がワースト級だった可能性もあるが)。元より機力より気力で走るタイプが節イチ級の足棒を手にしたとなれば、鬼に金棒シリーズ。勢いに乗ったら手が付けられない長州侍の快進撃が見られそうだ。
★徳増秀樹70号機=やはり来た。例によって初戦から速めの展示タイムを叩き出し、2戦目ではさらに快速仕様にシフトした感がある。この機歴不問の「徳増クオリティ」はもはや常識となってきたが、バレバレであってもセンター枠での「スリット突出しゃくりまくり」は常に警戒しておきたい。

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★石野貴之46号機=前検トップ時計は伊達じゃなく、今日もスタート展示の足色&展示タイム(トップ時計)で他を圧した。いざ実戦は6コースから展開がなかったが、センター戦、特に4カド想定のレースではアタマから狙い撃てる伸び足だと思う。と書きつつ明日の想定版を見たらば、1Rの4号艇!! 寝ぼけマナコに目薬を差して、この朝イチレースに立ち向かうとしよう。できれば⑥大峯との4=6が理想なのだが、どうか。
★田中和也63号機=今日でいちばん意外な発掘か。2コースのスリットから伸び返す行き足が妙にゴキゲンだったし、道中の丸野一樹との伸び比べでも圧倒的に優位だった。丸野が出足特化型とは言え、放置できないストレート足。繰り上がり参戦で人気の盲点になりやすい選手だけに、外枠でこっそり舟券に絡めてみたい。

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 さらには地元の大将・瓜生正義(まさかの5・6着発進!)、岩瀬裕亮、岡村慶太、そしてそして私が前検トップに指名した前本泰和も、スリット付近の勢いにキラリ光るものを感じた。今日は慣れない6コースで実戦に参加できなかった前本の巻き返しに期待したい。(photos/シギー中尾、text/畠山)