BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――勝負駆け!

●着々と

f:id:boatrace-g-report:20220319152653j:plain

 3日目を終えて予選トップに立って、一気に注目を集めることとなった遠藤エミ。しかしながら、遠藤の動きはいつもと変わらない。着々とレースに向けて準備を進めるのみ、だ。朝の試運転タイムから精力的に水面に出て、同時に調整を進める。1Rの展示が始まる前にはいったん切り上げて、落ち着いた時間を過ごしていた。2R発売中にはスタート特訓があり、それに参加してからは4Rを待つのみ。まずは6号艇をどう戦い抜くか。この結果によって、後半は痺れる戦いに臨むことになる。

●早々から

f:id:boatrace-g-report:20220319152854j:plain

 2位につけているのは秦英悟。出番は11R一発で、遠藤の結果次第ということにはなるのだが、トップ目を残しての予選最終日となる。時間はたっぷりある今日、であるが、やはり1R展示前から試運転を繰り返しており、のんびり過ごすつもりはなさそうだ。展示が始まる頃にボートをいったん陸に上げ、プロペラを外していた。状況いかんに関係なく、為すべき調整を抜かりなく行なって、長い一日を過ごすことになるだろう。

●いつも通り

f:id:boatrace-g-report:20220319152918j:plain

 やはりトップ目を残している毒島誠も、早くから調整に励んでいた。こちらは出番が5Rだから(しかもその1走のみだから)、トップを狙うなら大きな着は避けたいところ。もっとも、そうしたことで毒島のルーティンが変わるはずもなく、ようするに調整に励んでいるのはいつも通りのことである。もちろん、緊張感に包まれていたり、気合を特に表に出すようなこともない。そんな振る舞いには、ある種の貫禄を感じたりもするのだが。枠番も考えれば、かなり有利な立場のような気がしてきますね。

●険しい目つき

f:id:boatrace-g-report:20220319152957j:plain

 気合が入っているというなら、やはり原田幸哉にそれを感じずにはいられない。3日目を終えて15位。崖っぷちとは言わないまでも、大敗は絶対に許されない。原田自身は、もともとの地元である蒲郡や常滑は今でも変わらず思い入れを持って走る水面なのだと言うが、しかし過去の蒲郡や常滑のSG以上に、大村SGでは表情等に気迫がみなぎっているように感じるのである。移籍を認められたからこそ、大村を大切に感じているというか。それほど余裕があるわけではない勝負駆けの日なら、なおさら。やはり朝から試運転を繰り返していた原田の目つきは、昨日までよりさらに険しくなっているように見えたのであった。たぶん、こちらの先入観のせいではない。

●またもや整備

f:id:boatrace-g-report:20220319153019j:plain

 3日目終了時点で20位。準優圏内への浮上を狙う前本泰和もまた、昨日までよりずっと冷たい風が吹くなかで、懸命に試運転を行なっていた。2R発売中、ボートを引き上げた前本は、そのまま整備室へ。またもや本体整備に臨むようだ(キャリアボデー交換などの可能性もあり)。前本の本体整備が珍しいのは初日の記事で書いたとおり。初日はセット交換(ピストン2、ピストンリング4、シリンダケース)で臨んでいる。3日目もやはりセット交換を行なっているが、これは元に戻したもののようだ。整備自体珍しいのに、何度も整備室にこもるのは最近の前本としてはなかなか考えにくい動きである。予選突破に向けての執念が強く伝わってくる。
(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)