BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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早くも整備ラッシュの初日前半ピットから

 夏の甲子園、プレイボール! ということで、オープニング1着は椎名豊! 約1年前の当地オーシャンカップで誕生したニューヒーロー、今年は甲子園で先頭打者ホームランをかっ飛ばした。といっても、あの日に流したような涙は当然見受けられず、淡々としたレース後。最後まで追っかけてきた後輩の関浩哉と顔を見合わせて、笑みを交わしている。

 バックに出たときには3番手争いとなっていた門間雄大は、道中の競り合いで後退。最後は5着でゴールしている。相手が強かったのも確かだが(3着逆転は片岡雅裕)、足的にも不満が残ったようだ。レース後はすぐに本体を外して整備室へ。なんとか底上げをはかって、道産子のプライドをアピールしたいところ。

 本体整備に手をつける選手は少なくなく、2Rで4着に敗れた今垣光太郎も、レース後すぐに整備室へと飛び込んだ。今節JLC解説を務める打越晶さんとは63期の同期生。打越さんが心配そうに見守るなかで本体を外していたが、同期の絆を確かめ合う余裕もなく今垣は整備室へと向かっている。10Rに出番が控えているので、一刻も早く本体をバラしたかったといったところか。

 また、同じく2Rで大敗した鹿島敏弘も速攻で本体を外している。3コース発進だったが、あっさりと4カドの田口節子に叩かれてしまったあたり、パワーアップは急務となりそうだ。鹿島はこの1回乗りなので、今日は一日じっくりと調整、試運転を行なうことになるのだろう。かなり暑いので、熱中症に注意!

 その2Rは、井口佳典が6コースから勝利! さすがにレース後はニッコニコで、磯部誠ら東海勢の出迎えに笑顔を振りまいていた。GⅡとはいえ、1号艇は岡崎恭裕などSGとはあまり変わらないメンバーでの6コース勝利は、やはり価値が高い。マスターズチャンピオン優勝のときには、そこまで勝利の笑顔が見られなかったと記憶しているが、ここはやはりしてやったりの笑みが自然とこぼれるといったところだろう。

 一方で3Rを逃げ切った中島孝平は、まさに粛々。西島義則の前付けがあって深い起こしからの逃げ切りだから、やはり価値ある勝利だと思うわけだが、しかし中島は勝って喜びを爆発させるタイプではない。きっちり仕事を果たしたという充実感や、厳しいイン戦をしのいだ安堵などはあるだろうが、それらをなかなか表には出さないのである。

 さてさて、本体整備と言えば、丸野一樹が朝から整備室にこもっているのである。昨日、「今節は忙しくなりそう」と言っていた丸野だが、さっそく忙しい! ようするに、前検の手応えはよろしくなく、整備に駆けずり回ることになりそうだということで、早くもその言葉通りの動きを見せていたのであった。少し前までの丸野だったら、こういうときに悲壮感を漂わせたりもしたものだが、そこはグランプリレーサー、そうした状況を受け入れて、しっかり汗をかこうと腹をくくっているようなのであった。間違いなく逞しくなっているのである。どこまで立て直してくるか、しかと注目させてもらおう。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)