BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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徳山グラチャンTOPICS 初日

断然のV候補!?

 いま、初日の第8Rが終わった時点で書きはじめているのだが、とにもかくにも前半3Rの石野貴之56号機の鬼足……ありゃ反則レベルだべぇぇっっ!! まずは追い風5mで展示タイム6秒89ってのが、徳山では異次元の数字。
 で、イン深川真二の出足がバリ重だったから2コースのジカまくりは当然として、バックで一瞬だけ差されたはずの平本を伸び足の差で突き放し、さらに2マークでも平本の激差しに並ばれたかと思いきや、凄まじいパワーで千切り捨ててしまった。マジでヤバイって。平本の実戦足も相当に良さげだからこそ、石野のそれは鬼の域に見えた。

 このパワー違和感、どっかで見た気が……。
 なんて思ったらば、デジャヴでもない、つい先月のオールスターまんまじゃないか。スリット前後の行き足で他を圧倒し、そこから確かな伸び足でケリをつける。そんな横綱レースの連続で、あれよあれよの優勝戦1号艇⇒圧逃V。あまりに気が早いと思われるだろうが、私はこの3Rの道中で同じような石野ビクトリーロードを夢想してしまった。

 嗚呼、それにしてもの超抜パワーよ。先の芦屋オールスターでは前検から石野14号機をトップ足に指名したが、昨日の私は石野56号機の鬼足にまったく気づかなかった。むしろ同じ班の稲田浩二や中野次郎の方が優勢に見えたほどだ。24時間遅れになってしまったが、前検での私の不明を詫びつつ、石野56号に迷いなき【S】ランクを授けたい。たとえ、11Rの着順が悪かったとしても。(ただいま10R終了)

 さてさて、石野56号=断然のV候補と思い込んだ以上、もうちょい掘り下げて考えたい。このモーターがどうしてあんなにも噴くのか。つらつら履歴を見直してみたが、強調材料はゼロ。34.7%という数字どおり、誰が乗っても悪くもないけど良くもないというレベルの中堅機だ。
 ならば、と近畿担当のベテラン記者にこの話題を振ってみたら「んなもん、最近の石野信金がどこでも出すから、に決まっとるわ。めんどくさいこと考えんと、石野さまの舟券だけ買っときゃええんやて」と高らかに笑った。うむ、それでええんか、な。

 と、ここまで書いたところで、11Rが終了。5号艇5コースの石野は3着に敗れたが、掛け値なしの鬼足だった。1マークの攻めは不発で外に弾かれ、ターン出口では絶望的な最後方。そこからわずか半周で3着争いに持ち込み、2周1マークで前を行く寺田祥を逆転斬り捨て。さらに先行する柳沢一を追って追って、最後はアタマ差くらいの僅差でゴールを通過した。3R同様、競った相手が間違いなく上位レベルだからこそ、石野56号の追撃足は空恐ろしいものに思えた。やっぱヤバイって。さっき【S】って書いたけど、【SS】が相応しいかも? 妄想決めつけ早とちりが私の欠点だと知りつつ、初日のドリーム戦を観る前に予言してしまおう。
――今節の石野56号機のV確率は、初日の段階で50%を超えている。
 と。

114期の風雲児

 穴党にとっての初日MVPは、もちろん2R6号艇の村松修二で決まりでしょ! 6コースから伸びなり絞めまくり、イン稲田が握って回ったところで俊敏なまくり差しを突き刺した。唯我独尊のコンマ05(内5艇はコンマ15~21)も天晴れだったし、そこからの伸び足も実にしっかりしていた。
「伸びはいい感じだけど、出足回り足は甘そう。それでも明日は(手前に寄せず)もっとパンチ力をつけて外から自力で攻めたいっす」
 昨日の『展望BOATBoy』の黒須田インタビューで初々しいコメントを寄せた村松だが、まさに有言実行。自分の描いた青写真どおりのレース展開で、330倍の大波乱を演出してみせた。

 羽野直也、松尾拓、西野雄貴、中村桃佳らを擁するエリート集団の114期にあって、通算の1着率・2連対率ともにトップを堅持しているのが村松だ。やまと学校の時代から天才肌と謳われていたが、要所要所でポカがあったり病気があったりで出世が遅れた感がある。

 それでも、3年前のクラシックで初めてSGに参加したらば予選突破(準優6着)。3度目のSG(去年のオールスター)で優出5着するあたり、まさに天才肌という言葉が相応しい。そして、今節はもうひとつ、彼の背中を押す追い風が加わった。同期・倉持莉々のオールスター優出にして3着=銀メダル獲得。
「めちゃくちゃ刺激になってます!」
 今日のスタートの突出には、莉々の影響がコンマ03くらいは関与していたに違いない。明日の村松は【7R4号艇・11R2号艇】の2回走。外に⑤菊地孝平・⑥西山貴浩のいる7Rは、パンチ力を付けたまま豪快にぶん回してもらいたい。

 最後に、初日12レースを観て「おそらく上位~超抜レベル」と判断できた人機だけをざっくり列挙しておきます。

★石野貴之56号機=前出【S】か【SS】
★柳沢 一71号機=【A+(直S)】
★稲田浩二11号機=【A(行A+)】
★平本真之74号機=【A(回S)】
★村松修二48号機=【A(伸S)】
★羽野直也12号機=【A(行A+)】
★秋山直之40号機=【A】

  って、結局石野以外はぜんぶ三島十傑かーーーい!(笑) 今日のところはここまで。明日以降により詳しいパワー評価をアップしまーす。(photos/シギー中尾、text/畠山)