常滑名物といえば、昔は陶器、今はポケモン。常滑駅前はレアなポケモンがザクザク出るスポットになっており、今日も朝から大勢のポケモントレーナーたちがスマホを片手に彷徨っていた。
そしてボートレース常滑にも、伝説のポケモン級のモンスターが潜んでいる。勝率6.71、2連対率53.4%、3連対率70.9%、10優出5優勝を誇る17号機だ。その威力は選手たちも重々承知なようで、抽選会場のあちこちから「17」という声が聞こえてくる。はたして伝説のエース機を誰がゲットするのか!?
抽選順は登番4445の宮地元輝から昇順で進む。で、トップバッターの宮地がツモったのが41号機。2連対率42.3%、優出6回の好モーターだ。しかもこの数字は大半のレースでB級選手が乗って残したものなので、機のポテンシャルは数字よりも高いと考えていい。前々節は石野貴之が乗って優出、前節は大峰豊が乗って優出と、エンジンの調子も上向いている。宮地のレースに要注目だ!
とくに大きな盛り上がりもなく、抽選は淡々と流れていく。地元の渡邉俊介がツモったのはエースと1番違いの16号機。しかし、この機も優出5回優勝3回を誇る上位モーターである。尾嶋一広に「17の次にいいらしい」と声をかけられて渡邉はニンマリ。秋元哲の私傷病による出場取消により、繰り上がり出場となった渡邉は抽選運も良かった。3人しかいないB級選手のひとりなので、高配当の使者として期待したい。
畠山シュー長がBoatBoy誌で「17号機がウサイン・ボルトとするなら、14号機はケンブリッジ飛鳥レベル」とプッシュしている14号機を手にしたのは、山田康二。フライング2本を抱えながらも、8月芦屋一般戦、9月宮島G1と、好レースを連発している。師匠の峰竜太はフライング持ちながら昨日のG1を優勝した。F2だからといって山田を軽視していると痛い目に遭いそうだ。
半分以上の選手が抽選を終えても、目玉の17号機がなかな出ない。西山貴浩から「マサキ! イッたれ!」との声援を受け、西川昌希が柏手を叩いてガラガラを回すも、出てきたのは57。つづいて磯部誠が引いたのは17号……のボート。磯部は「そっちかい!」と自分自身にツッコミを入れる。
登番がもっとも若い上條暢崇まで進み、登番最古の小坂尚哉に順番が回ってくる。
「17号機!」
小坂が引いたモーター番頭を読み上げると、会場から大歓声が沸き、拍手まで巻き起こった。カメラマンたちも一斉にフラッシュをたく。同県の和田兼輔に「優勝したみやいやね」と言われながらも、小坂の笑顔は長い時間にわたって続いた。
常滑の注目モーター
★★★17号機(53.4%)…小坂尚哉
★★14号機(40.2%)…山田康二
★★41号機(42.3%)…宮地元輝
★16号機(40.9%)…渡邉俊介
★15号機(40.3%)…岡崎恭裕
★49号機(42.7%)…塩田北斗
★28号機(35.1%)…古澤光紀
★1号機(37.7%)…今井美亜
(TEXT・姫園 PHOTO・中尾)