昨日、松井繁は大きな整備をやっている雰囲気はない、と書いたが、それはあくまでも前検日は、ということだったようだ。午後イチで整備室を覗けば、今日も本体整備にいそしむ王者。昨日のコメントにも大きな整備を考えている旨の言葉もあって、ドリーム１回乗りの初日に整備というのは予定通りであるようだ。
また、雰囲気が違って感じるとか書いた毒島誠が、本体整備に着手していた。前検日は作業時間に限りがあるので、特にたっぷりと時間があるドリーム組は初日に朝から大きめの作業に取り掛かるのはある種のセオリー。部品交換等は直前情報を確認してもらうとして、ドリーム組はとにかく初日のうちに大幅な上積みを狙って目立つ動きを見せるというわけだ。
普段であればプロペラ調整が主体の峰竜太も、今日はまずキャブレターの調整を行なっていた。前検日のうちにある程度ペラは叩けたということだろうか。
キャブレターをやっていたのは、他に菊地孝平。初日の早い時間から、表情はぐりりっと引き締まっており、早くも戦闘態勢に入っていることをうかがわせる。初日は１号艇１回乗り。万全の態勢で好発進したいところだろう。
整備室の資格から、賑やかな声が聞こえてきた。間違いない。ニッシーニャだ。昨日のコメントでは泣きが入っていた西山貴浩、今日はまずギアケースの調整を入念に行なっていた。隣では瓜生正義がやはりギアケースを扱っており、心やすい先輩が近くにいたこともあって、おどけたような声をあげていたわけである。といってもおちゃらけて整備をしていたわけではなく、その後は何かの書類に真剣な表情で目を通していた。ちゃんとやることはやるのもニッシーニャ。とか書いてたら、目の前でシンガリ負けを喫したわけであるが（笑）。この後も、パワーアップへの奮闘が続くことだろう。
そうそう、下関の整備室には最新鋭のシステムが導入されている模様。壁にバーコードのようなものがずらりと並んでいて、これを読み取ると設置されているタブレットにモーターの機歴が呼び出されるというもののようだ。このところ整備室の様子をなかなか確認できなかったので定かではないが、少なくとも僕はこれ、初めて見た。他にも導入している場はあるのかな？ 写真は白井英治がタブレットに見入っている場面。勝手知ったる下関のピットだけに、このシステムの扱いも堂に入っているのであった。
さてさて、オープニングは大山千広が快勝！ ＳＧ初日１Ｒの１号艇というのは、まあレース場にもよるけれども、特別な期待がかけられている選手が選ばれるもの。大山は見事、スペシャルな白カポックで先頭ゴールを果たしたのだ。ピットに戻った大山は、他の５選手の間を駆けまわって頭を下げる。今節登番最若手だから、先輩たちにはきちんと礼を尽くさねばならないわけだ。さらに、着替えを終えるとピットじゅうを走り回って、エンジン吊りのヘルプをしてくれた先輩たちにお礼参り。きょろきょろと見回しながら、先輩を見つけるとダッシュで駆け寄ってペコリ。エンジン吊り参加の選手へのお礼は全員がしているもので、レース直後のピットではあちこちで「ありがとう！」「ありがとうございました！」の声が聞こえたりするものだが、こんなにも走ってお礼に向かうのは若者らしさということになるか。ともかく、ナイス逃げ切りでした！（黒須田）
