BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――伸びる?

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 ピット取材に出かける前、畠山が「高田ひかるがペラ叩き変えてるかどうかよく見てこい」と言う。コロナ禍にあって、ピットでは立ち入れる場所が限定されており、ペラ調整室の様子を見られるかどうかは怪しいところ。まったく、このオッサンは気楽にモノ言ってくれるわい、と半ば憤慨しながらピットに入ったのだが……はい、よく見えました(笑)。ペラ室内の一部を覗き込める場所があって、まさにその真正面で高田がペラを叩いていたのであった。それももう、渾身の力で。時に立ち上がって、思い切り。室外にも相当の金属音を轟かせていたのであった。

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 中間整備で強力な伸びがついた48号機を高田が引いたら、などと思った方も少なくなかろうが、そうではないモーターを高田がどう仕上げていくかもこれは見もの。近況、スーパーな伸びを引き出してはブンブンまくる高田である。48号機あたりを引いていたら人気になりすぎちゃうわけであって、2連対率28.3%の20号機でもいつもの伸びを仕上げちゃうのかどうか、舟券的妙味はむしろこちらかも。明日は2号艇と5号艇、実に楽しみですね。

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 高田はスタート練習とタイム測定をする前にペラを叩いていたのだが、彼女以外の選手もペラ室には多くの選手の姿が見られるのであった。男子と女子ではエンジンの出方が違う、だからペラの形もまた違う、などとはよく聞くわけだが、それもあってか水面に出る前に叩いている選手が、SGよりはずっと多く感じられるのであった。まあ、ゲージを当てて形状を確認しているという選手もいるはずだが、それにしてもSGの前検日よりも盛況という印象。48号機を引いた細川裕子が出入りしているのも見かけているのだが、叩いたりしてたのかな?

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 スタート練習とタイム測定後に目立った動きを見せていたのは寺田千恵。モーター本体を外していたのだ。早くも本体整備? そう思ったのだが、テーブルの上にはキャリアボデーが1つ置かれていて、おそらくはこの交換であろう。前検の感触から、まずはキャリアボデーを換えてみてどうなるかを明日試そうということだと思われる。キャリアボデー交換は本体整備よりは時間がかからないので、その後はペラ調整に向かう姿も見かけております。これはSGもそうなのだが、さすがベテランは判断が早い、と実感するわけです。

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 ベテランといえば、山川美由紀がタイム測定とスタート練習からあがってきた西村美智子を待ち構えて、熱心に話を聞いているシーンがあった。自艇のもとに西村を導き、装着されていた回転計の数値を見せる場面も。山川のような実績もキャリアも図抜けている偉人が身近にいるというのは、やはり大きいですよね。山川の助言を得て、西村が明日どんな仕上げにしてくるかも注目。

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 さて、今日21時からYouTube『週刊BOATBoy』がVOD配信されます。見てね。そのなかで、長嶋万記にインタビューしております。中身は配信を見てね。で、僕が感じたことはといえば、明らかに雰囲気がいつもの彼女とは違っていたということだ。おそらく彼女自身はそうとは感じていないだろうし、実際に地元ビッグということに対する気負いのようなものはないように思えたが、自然と目の奥からにじみ出るものがいつも以上に力強く感じられて仕方がなかったのだ。長嶋は、なぜかレディースチャンピオンでは結果を出せておらず、レース相性は悪い。本人もそれを自覚しているようだが、今回はそんなことを言っている場合ではない。浜名湖レディチャンなのだ。無意識のうちに高まる闘志、とでもいうのか、とても逞しい自然体、とでもいうのか、ようするにいいムードを感じるのである。今回こそ結果を残してほしいと期待する次第である。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)